南極物語

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これが、生まれて初めて映画館で泣いた映画だった、と記憶している。
もちろん、ハリウッド版じゃないほう。ハリウッドのほうはまだ観ていないし、観る気もしない。

南極物語のメインテーマを作曲したのは、数々の映画音楽やFIFAのアンセムで有名なギリシャの音楽家、Vangelis。

Vangelisの曲は、とくにこの南極物語のテーマと、ブレードランナーのテーマがお気に入りです。 (コード進行も似ているのだが)

ブレードランナーといえば、フィリップ・K・ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」を原作に、「デュエリスト/決闘者」「エイリアン」「ブラック・レイン」「グラディエーター」「ハンニバル」「ブラックホーク・ダウン」など数々の名作で有名なリドリー・スコットが1982年に映画化した、SF映画の歴史に残る作品だ。

僕がこの作品に最初に出会ったのは、高校生の頃。スター・ウォーズのような壮大なスペース・オペラとは完全に異なる、近未来を描いたハードSFの世界を目の当たりにし、その映像の美しさとストーリーの切なさに、感動しまくった。
僕にとって「一番好きなSF映画」といえばブレードランナーだった。

時をほぼ同じくして、SF小説などこれまでほとんど読んだことのない自分が、忘れもしない水道橋の旭屋書店でぶらぶらと立ち読みをしていたとき、偶然手にした本。
それは、フィリップ・K・ディックの「暗闇のスキャナー」だった。
今思えば、ディックとの最初の出会いがこの作品で良かった。
「暗闇のスキャナー」は、ディックの作品群のなかでもわかりやすく、ストーリーも破綻していない部類に入る。なぜ映画化しないのか不思議だ。

この本と出会ったとき、僕はまだこの作家が「ブレードランナー」の原作者だと気づいていなかった。たしか、この本を読み始める前にもうほとんどの当時邦訳されていたディックの作品は読みつくしていたと思う。

これを読んで、なにかおかしいと思った。このストーリーには覚えがあると。
もしかしてもう読んだっけ?
そこではたと気づいた。(遅いって)
ちなみに映画と原作では、エンディングが異なる。
映画も、完全版では「もうひとつのエンディング」が収録されている。
ディレクターズカットもまた異なる。

僕はディックとの出会いからSF小説に目覚め、その後、ハヤカワSF文庫と創元社文庫を読み漁っていくことになる。

(SF小説に限らず、僕は好きな作家の本を読みつくしてから次の作家を探すタイプ)

いままで読んだSF作家たち。

グレッグ・ベア、J・P・ホーガン、カート・ヴォネガット、オースン・スコット・カード、ウィリアム・ギブスン、K・W・ジーター、カール・セーガン、ラリィ・ニーヴン、R・A・ハインライン、J・G・バラード、L・M・ビジョルド、フレドリック・ブラウン、レイ・ブラッドベリ、フレデリック・ポール、グレゴリー・ベンフォード。

いかん、またSFが読みたくなってきたw

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