転職する本当の理由

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一緒に働いてる人が嫌いだとか、自分のやりたい技術ができないとか、会社の業績がどうのこうのだとか、そんなことはどうでもいいんです、実際。
「自分は営業だから、それは担当外」
「自分は技術者だから、それはできない」
「自分は○○だから・・・」
こういう台詞を聞くと、「見据えてる到達点のベクトルが全然違う人なんだな」って思います。
自分がどういう風に思われる人になりたいかってことに集中しちゃってるじゃない。
自分が世の中にどんなインパクトを与えたいかとか、何を提供したいかとか、そういう考え方がこもってない感じがするじゃない。
だからね、職務内容なんてあんまり重要じゃないんです。ひとりでできることなんて、たかが知れているのだし。
結局、どのような形にしろ、自分が「何に対して」「どのように」影響を与え、その結果、世の中がどのように変わるのかを想像する。ここが重要だと思うんです。
自分がいまの会社に入った理由は、インドの会社だからでした。それ以外は付加価値でしかありません。

 

結局のところ、自分が目標にしている地点にたどり着くためには、手段を問わない、そういうこと。
石の上にも三年、そんな諺もあった気がする。でもね、決定的なのは、これは常に強く感じながら生きていることなんだけど、人生の時間は有限だということ。

残されている時間はそう多くはない。いつだってそうだ。

ここで、自分は一体何がしたいのか、どこへ向かっているのかをはっきりとさせておく。

ひとことでいえば、僕は、日本を変えたい。
日本を変えるだけでは実は足りなくて、日本の良さを世界に伝える手段を増やしたい。
異文化が交じり合い、ぶつかり合うようなところで毎日仕事をしていると、自分の常識が相手の常識ではなかったり、文化について語り合う以前にすれ違っているものがたくさんあることがわかる。
そのようなすれ違いをすべて克服していこうというのではない。
そのような文化的ギャップは解決できないものであるという前提を常に意識したうえで、日本を魅せるような海外との付き合い方を、より多くの日本人の方に実践していただきたいのだ。
平均的に見て、日本人は自分がどのように他人から見えているかについて、意識しなさすぎると思っている。
それは島国であるせいかもしれないし、自分を飾ることをよしとしない日本人独特の美意識から来るものもあるだろう。
しかし一旦日本の土から足を離し、祖国から離れ、国際社会の渦中に飛び込んで行けば、そんな日本だけの事情なんて誰も勘定してくれないということを、嫌というほど思い知る。
そこで負け犬の遠吠えをしたって、これまた日本人的感覚で黙してみたって、なにも進展しないままだ。

日本という、世界地図の隅っこにあるちっぽけなアジアの小国である日本が、なぜ世界第二位の経済大国になり得たのか、そのことを考えてみると、じっとしてなんかいられない。
かつて「Made in Japan」といえば低品質の代名詞だった。ちょうどいまの中国製のような評価だったのだろう。それを克服したのは、血のにじむような努力の結果である。いまやMade in Japanといえば高品質の代名詞になっている。しかし、それを実現し得た過去のは、あくまで過去。いまや国家一丸となって経済成長するぞ、なんてことはもう無理なわけ。品質だけでモノが売れる時代は、もうすぐ終わりを迎える。
中国だってインドだって、いつまでも今のままであるはずがない。近い将来、高品質な製品の選択肢は日本製だけではなくなる。
だから、日本の未来を考えると、新たなる価値を見つけ出してそれを国際社会に認知してもらう必要性がある。
そして、そのような価値とは、いまから創り出すものだけだとは限らない。この日本には、日本人ですらあまり認知していないような凄いものがたくさんある。
このような視点で自分の進むべき道を考えるようになったのは、30代になってからだ。
20代までは、自分のエネルギーをとにかく自分のことに集中させることで精いっぱいだった。
生活を安定させること、技術を身につけること。その先に幸せが待っていると信じて疑わなかった。
多くの会社員が自分のために自己研鑽する。
自分もその流れに乗っていた。なにも間違いがないようにみえた。
しかし、きっかけはやはり、うつ病だったのだろう。
自分は何のために生きているのかを、真剣に悩んだ。
より高度な仕事がこなせるようになって、より高い報酬を企業から得る。
これだけでいいのか?
このような考えは、収入面で満足できていなかった若い頃には出てこない考え方だと思う。
結局、お金なんていくらあったって満足することなんてない。
それから技術。目先の最新技術について学ぶことに、あまりにも多くの人たちが集中している。
それよりも、時代を問わずいつだって大事な技術、つまりコミュニケーションであるとか、文化的な発展であるとか、そういった部分の技術って大事なんじゃないかって思うようになってきた。
日本の良さっていうのは、目に見える工業製品の品質の高さだけじゃなくて、そのような高品質を実現できるバックグラウンドにあると思う。
何年も、その「バックグラウンド」について考えてきた。それについて書くときりがないからここでは書かないけど。
それはやはり、日本独特のものだ。
ちなみに海外に全く無いわけではない。たとえば南インドのIT業界には、似たような雰囲気を未成熟ながら感じることができた。
日本は相当長い時間をかけてここまで来ただけあって、かなり成熟している。
このような話をすると、大抵の場合1970年代の高度経済成長が出てくる。もちろんそれは大変重要なファクターなんだけど、それよりももっと前の時代に遡らないと見えてこないものもたくさんある。第二次世界大戦、大正、明治維新、江戸時代、……。
すみません、この考えはまだあまり文章にしたことがないので脈絡がなくて。

とにかくそのようなポイントに着眼してみると、将来の日本のために何ができるのか、何をすべきなのかが見えてくる。
すべての先進国で少子化・高齢化が進んでいる点も重要。やはり、日本を国際社会の場(どちらかというと国際文化交流、技術交流の場)でもっとアピールしていくことは重要なんだ。
いま自分がやりたいことは、ここにはあえて明言しないが、こうした話の流れの先にある。

効果的に目標を達成したいが、そのためにはやらなければならないことが多すぎるくらいにある。学歴も然り。日本は学歴社会だなんて言ってる人もいるけど、日本は「学名主義」だと思います。学校の名前ではなく、学校で何を学んできたか、何を身につけてきたか、それを学校の名前、専攻を聞くことで確かめようとするという意味での学歴社会は、合衆国を筆頭に日本よりも進んでいる国がたくさんある。そのような社会で効果的に仕事を進めていくためには、学習強化が必須だと思っている。
それから資金繰り。
コネクションの強化。
さらなる調査、吸収。

人生は、短い。

足を引っ張るような人の仕事に付き合っている時間はない。
転職なんて、ひとつの手段にすぎない。転職したらどうのこうのとか言ってるやつは、サラリーマン社会というレールの上でしか自分の価値を見出せないのだろう。
お願いだから黙っててくれって思います。
ちなみに、このたびの転職が大成功したのは、先述のような目標をもって、モチベーションを心に秘めていたからだと信じてます。

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