スラムドッグ$ミリオネア

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一度でも本物のインドを見たことがある人がこの映画を観たら間違いなく面白いと思う。
一方、インドを知らない大多数の人がこれを観たらどうなのか?
残念ながらそれは分かりません。

知らない国については、ステレオタイプなイメージを抱きやすいですよね。
たとえば日本をよく知らない海外の人たちは、日本のことを
・アニメ、マンガやゲームが発達している
・電化製品が進化している
・サムライやニンジャがいた国
・トーキョーは大都市
・独自の食文化
こんなイメージで見ています。

同様に、日本人から見たインドは、(以前のエントリにも書いたかもしれないけど)
・カレー
・ターバン
・タージ・マハール
・人口が多い
・貧富の差がすごい
・ヒンドゥー教
・仏教発祥の地
・ガンジス川
こんなイメージですかね。

民族の多様性について考えてしまいます。
この映画で表現されているインドは、広い広いインドの中のほんの一部しか表現していません。
日本は比較的、北から南まで文化に統一感のある国です。
言葉だって方言こそあれど、通じるしね。

インドの多様性は半端じゃないです。
たとえばこの映画でみられる文化の一部は全土共通だし、ほかの部分はムンバイ(ボンベイ)周辺独自の文化。地域によって使われている言葉も違うし、食べ物も違う。主人公はスラム出身だけど、貧富の違いでもまったく暮らしぶりが違う国だから、この映画だけ見てインドを知った気分になっちゃったらもったいないなぁと思うのでした。

それでも、この映画で取り上げられているいくつかのストーリーに登場するインドの姿は、今までの映画にはないリアルさをもっていました。
このリアルさは、インドを知らない観客にはどう映るのだろう?なんて思いましたが、どうなんでしょうね。

物乞いビジネス(マフィアによって管理された物乞いシステム)の問題について取り上げられた映画は今まで無かったと思う。実際あちらでタクシーに乗ってみればわかるが、赤信号で車が止まると窓をコツコツたたく人がたくさん。振り向けば、ゼスチャーでお金に困っていることを強調する。乳飲み子を連れたりわざと失明するなんて話も本当だ。街を歩けば、袖をひっぱる子供達に物乞いされる。東洋人だというだけで通常よりもかなりしつこく物乞いされる。
物乞いだけじゃなくて、ワケのわからないものを売りつけようとする人もたくさん。

主人公の勤務先がコールセンターというのも、適当に考えられた設定ではないので、よく表現された映画だなぁと思いました。インドは欧米諸国のコールセンタービジネスのアウトソーシングビジネスがものすごく発達しているし、実際自分がインドの企業で働いていた頃も自社のコールセンターにお客さんを案内したりしましたが、まさにあんな雰囲気でした。

実際にチェンナイで物乞いをしていた子供達(2006年撮影)

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かつてサクセスストーリーに夢を馳せて人々がアメリカ大陸に移民したように、この映画もまたインディアン・サクセス・ストーリーなんだと思います。

映画に出てくるインド英語も面白いです。
発音だけじゃなくて、インド英語独自の言い回しや単語がたくさん出てきます。
たとえばlakhとかcroreっていうのはインド独自の単位。
ちょっと前にTATAが、「1 lakh car」(1ラックカー)という車を出して世界中で話題になりました。これは、「10万ルピーの車」という意味。lakhは10万。
日本も、万・億・兆と4桁ごとに独自の言葉がありますね。

インドにまったく関係ない人がこの映画を観てインドに興味を持ってくれたら面白いなぁ。

コメント

  1. ちゃぼコッツ より:

    インドっていったらアレだ。

    手足が伸びたり火を吹いたり、しまいにゃ宙に浮いたりテレポートしたりするヨガだ。

  2. うずら より:

    ちゃぼコッツ>
    ダルシムかよ!
    なぜか日本ではヨガって女性の健康運動みたいに思われてるよね。