守るだけじゃなくて攻めて欲しい、について

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久しぶりに音楽関係以外の雑誌も購入。

「紙媒体の天敵、電子書籍のコラムを読むために紙媒体を買う」
電子書籍市場についてみんなどう考えているか参考になりそうな雑誌があったのだけど、これって何ともいえない皮肉のこもった行動だね。

ところで英字版のTimeとかNewsweekとかFORTUNEとかTHE Economistとか、なんであんなに高いの。
フリーペーパーみたいなペラッペラの雑誌が、1,000円前後するんだ。
調べてみたら、400円くらいで購読する方法もあるみたい。店頭で買ったら負けだね。

ところで実際のところ、雑誌が紙媒体で出てくるメリット、思いつかない。
(電子書籍である必要すらない)
価格は高くなるし、情報量には制約あるし、絵と文字しか使えないし、即時性は言わずもがな。捨てるのも面倒だし。気になることが書いてあったら結局iPhoneやPC起動してそっちで検索とかしちゃうでしょ。
とくにコンピュータ関連の雑誌なんかはそういう問題の一部を解決しようとしてCD-ROMやDVDを付けてる。最近じゃ、Webと連動してる雑誌も多い。
だったらWebに全部載っけりゃいいわけで。
情報源が紙媒体「だけ」という人は年々減っている。そろそろ終わるね、雑誌も。

昔、貸本屋というものがあった(時代が違うので行ったことないけど)。
これも貸本屋に置く漫画を専門で書いている漫画家もいた。つげ義春なんかもその一人だ。
でも貸本は廃れた。
今はネットカフェ+マンガ喫茶が主流。
それからアマゾンとかブックオフとか。
これらが残っているのは、紙媒体に頼っている現状があるからで。

CD屋でCDを買う人は激減している。

iTunesを見てみよう。日本のiTunes Storeには映画もTVドラマもない。
しかしUSアカウントを作って、USのiTunes Storeにアクセスしてみると、映画もある。TVドラマもある。
見逃したあの番組も、iTunes Storeで買えるのだ。
このあたり、日本の遅れ具合には絶望しまくりだ。
既得権益がどす黒く渦巻いているわけだが、最後の最後にもうどうにも立ち行かなくなるまで、どうにもならないのだろう。
Amazonに対抗して日本の出版社が協力しますなんてニュース記事があったけど、AmazonでもAppleでもいいから、日本の出版業界の横から風穴を開けていただきたい。

というか、金の流れがクリーンな業界のエコシステムを作り直すという意味では、音楽業界も、既存のやり方は一度滅びるべきじゃないの。
そのためだったらもう、大好きなCDレンタルが無くなっても構わないよ。
誰も好きでAmazonみたいな海外企業に金出してるわけじゃないの。
日本にそういう企業が無いから問題なのだ。
(海外企業に勤めててこう書くのもなんだけど)

企業には、夢を見せて欲しいのですよ。
ライフラインとなる仕事以外は、夢がなくては存在意義が無いよね。
モノ買ってるんじゃなくて夢にカネ出してるんだよ。

「二槽式の洗濯機が、横向きのドラム式洗濯機に進化しました」
使う水の量が減ってエコです。洗濯物が絡まりません。
じゃあ実際いくら節約できんの、とか、そんなこたどーでもいいんだよ。
それで節約できる水道代で新しい洗濯機の価格のモトを取ろうなんて無理なんだから。
いちばんのエコは買い換えないこと。
でもいいじゃん、かっこいい最新型の洗濯機。素敵じゃん。夢があるじゃん。
二槽式は脱水に手間がかかるから言い過ぎとしても、通常の縦型全自動洗濯機と最新型の洗濯機と比べて、どうなのって話。

そういう夢のあることにカネを出すんですよみんな。

ソーラーパネルを家に置いて、どんだけエコになるかとか節約できるかとか。
ソーラーパネルを生産するために排出される二酸化炭素やその他廃棄物の量は?
ソーラーパネルを購入して取り付けるためにかかった金額のモトを取るには?壊れたら修理は?

そんなこたどーでもいいんだ。

実際こういうことって全て、SF小説や映画で語られてきたことなんだよね。

現実化するんですよね。
やっぱりハヤカワ文庫と創元SF文庫は読んでいて良かった。

最近流行りの行動ターゲティングだって、近いうちに映画「マイノリティ・リポート」のようになるだろう。

そういうことをどんどん先取りして現実化させていくのが、企業ってもんじゃない?

それをうまくやっているのがGoogleであり、TOYOTAであり、Amazonであり、Appleであるんじゃない?
かつてSONYもそうだったように。
HONDA Spiritに憧れて起業している人は、日本中どころではない、世界中にいるんだ。

ジャパネットたかたは頑張ってるけど、世界を相手に商売していないし。

だいたいもう、日本の出版社がいくら力を合わせて囲い込みをしても、隙間からじわじわとAmazonやAppleが入り込んでくるのは目に見えてる。
音楽業界や携帯(ハード)業界やTV業界と同じことが起きる。

そんなとき、喜んでサービスにカネを払う相手が日本企業かそうでないかなんて意識しない。
でも、同じ日本人としてそういう夢を提供できる企業があったら素直に嬉しい。

政治、文化、経済という大きな3つの要素のなかで、経済だけが大きくグローバル化している。
日本は経済以外の政治、文化に関してはわが道を行く国であり、それが少しでも絡むと経済のほうが滅茶苦茶になる。
だからこうしたコンテンツビジネスに弱いのかな、と思ってる。

そのうちに、データがどこにあるかなんて意識しない時代がやってくる。
データの所在なんて一部の技術者が把握しているだけになる。
手元にあろうがネットワークの向こう側にあろうが、利用者からすれば安く便利に使えればそれでいいわけだし。

そして、デバイスを持ち歩かない時代がやってくる。

フィリップ・K・ディックが60年前にそう言ってた。

コメント

  1. 匿名 より:

    本を売るならぶっ殺す♪