冬眠しなかった影響があらわれてきた。
僕は昔から冬が苦手で、冬は顕著に活動が鈍くなる。冬と冬以外の僕はまるで別人で、冬の僕はまるで世捨て人のようになる。
この過ぎた冬にはそれが殆どなく、僕のこの特異な体質を知る周囲はホッとしたり喜んだりしていたのだ。
しかし身体と心に不調をきたした今、よくわかる。あれは病気でも障害でもない。僕のライフサイクルにおいて睡眠や食事と同じくらい必要不可欠なものだったのだ。
高い波動で張り巡らされた僕のアンテナは思い通りに制御できなくなり、様々な入ってきてはいけない波が入ってくる。念のようなもの。
心臓の脈動は弱々しく、血行・代謝・免疫が低下しているのがわかる。症状としてはあちこちの皮膚がむけ、吹出物が増え、全身が痒く、強い疲労感がつきまとい、頭痛と吐き気と食欲不振。様々な外から入ってくる感情に揺さぶられ、精神が全く安定しない。言いたいことを我慢できない。フラストレーションを管理できない。仕事に集中するのがむずかしい。人と会いたくない。少しでもいいから孤独の時間が欲しい。しかしこういう時に限って毎日のように人と会う用事がある。
月光、蝶、虹、鴉、清水、森、海、塩、石、風、雷。そして太陽。