個人経営喫茶店の魅力と展望

この記事は約4分で読めます。

昭和の雰囲気漂う喫茶店が昔から好きで、見かけると立ち寄らずにいられません。

いま僕が住んでいる武蔵小山・戸越銀座エリアにも、個性ある喫茶店が数多く現存しており、そこへ新しい形の喫茶店も増えつつあります。

平日にこんな店に訪れるのは、当然ながらお仕事をリタイアした方、主婦の方、近所の会社で働いてる方、自営業の方が多いです。

自分自身、会社員だった時代が長くあったこともあり、平日に会社員の方が少ないのは理解できます。いま個人事業主として自宅の一部をオフィスとして仕事をしていて、このような喫茶店の利用頻度が増えました。

働き方改革が比較的先進的と言われるIT企業では、自宅など好きな場所で仕事をすることを推奨する組織が増えてきました。リモートワーク、テレワーク、ノマドワークと呼ばれるそれは、働き方に自由を与えてくれるきっかけとなる大きな流れに繋がると思います。

企業側としても、人数分のデスクを確保しなくてもよくなることから、固定費と削減などのメリットがあります。

高速回線の無線インターネットが普及した恩恵で、ネットにさえ繋がっていれば車内で必要なコミュニケーションはどこにいても取れる時代です。

こうした流れは今後ますます加速していくでしょう。

時代遅れ感のある個人経営の喫茶店にも、新たなる顧客を呼ぶチャンスが訪れようとしています。

2018年2月から8月まで不動前でやらせていただいたinfo.caffeで実証実験をすることができましたが、必要な投資はごく少額です。

  • 【必須】インターネット回線の契約および無線LAN環境の構築(無料)
  • 【必須】スマホやPCを充電できる電源(無料。各席に電源が届くのが望ましい)
  • 【オプション】4人以上の席で画面を共有できる20インチ前後のモニター
  • 【オプション】プリンター(印刷にかかるコストは課金して良い)

料金体系は参考。サブスクリプションも有りだと思います。

こうした喫茶店の存在は、ビジネスパーソンにはなかなか知られないという弱点があります。しかし需要は必ずあります。

どうやって知ってもらうのか。オーソドックスなところから言えばまずは店頭案内と店内壁およびメニューへの掲示でしょう。

ビジネスパーソンは駅前によく集まる傾向がありますが、近所には自宅で仕事をしている個人事業主もたくさんいるかもしれませんから、必ずしも駅前でなくともこのモデルは成り立ちます。

そこで、個人経営のネット利用可能カフェ同士が、インターネット上で仮想的な組合を作るのが効果的だと考えました。

スマホのアプリまたはWebサイトで、地図や現在地の情報から喫茶店を探すことができる仕組み。今までも数多くの似たような試みがありましたが、失敗に終わっています。

なぜ失敗したのかと言うと、営業が足りないからだと思うのです。

こうした喫茶店の経営者の多くは、インターネット技術に明るくなかったり、ビジネスパーソンの需要を把握していなかったりします。

そこで、喫茶店を巡り歩いて、組合への参加を促す役割の人が現れたらどうでしょうか。さらに前述した必要環境を整えるサービスまで割安で提供することで、ノマドワーカーの集まる喫茶店作りをサポートする。

その際に重要なポイントがいくつかあります。

  • 店主のモチベーション。多くの喫茶店は継ぎ手がおらず、将来長く続けることを期待していない。
  • 回転率と座席数。ノマドワーカーは長時間滞在する傾向にありますから、店ごとの状況を見た適切なシステム作りが必須です。咳が足りない傾向にあるのならば、長時間滞在させない、あるいは長時間滞在しても利益率が落ちない仕組みを用意する。
  • 喫茶店のポリシーを知る。コミュニケーションに大きな価値を持つ喫茶店に、黙ってパソコンに向かうノマドワーカーがたくさん集まるのは店主の本意でない、など。
  • インターネット契約、機材の準備、トラブル時の対応など、導入から運用まであらゆる面で安心してもらえるサポート体制づくり。費用面も明確にする必要があります。
  • 分煙。店の客層や広さによって考慮する必要がある。喫茶店が複数ある地域では、完全禁煙または完全喫煙でも成り立つ。

海外からやってきたサードウェーブコーヒーショップの原点は、日本の個人経営の喫茶店であることをご存知でしょうか?

さまざまな喫茶店を渡り歩いてきましたが、個人店の持つ雰囲気や、個性あるコーヒーの味の中から自分の好みを探し出す楽しさは格別です。

お気に入りのお店を見つけたお客様は、永くその店に通ってくれることでしょう。

コメント