小さい頃から、何度も何度も、夢に出てくる町があります。
その町には、知っている人はいません。
でも、夢の中の自分は、その人たちを知っています。
小高い丘と、入り江が見える町です。
ある時から、その町が本当にあるんじゃないかと思うようになりました。
ドライブや旅行をすると、日本は広いなぁ、と思います。世界は、もっともっと広いです。
知らない町が、星の数ほどあるんだから、もしかしたら本当にあってもおかしくない。
でもなぜ、僕はその町を知っているんだろう。
これは現実の話ですが、町を歩いているときや、電車に乗っているときなど、突然自分の感覚が切り替わることがあります。
ふわっとした風?のようなものを感じて、そのあとまるで視力が変わったかのように物の見え方が変わるのです。
ちなみにもともと視力は良いです。1.5と1.2です。
今日も地下鉄に乗っていて、その感覚がやってきました。
金曜の夜にしてはとても人の少ない車両でした。
同じ車両に十数人。みんな座っています。
ピカピカの新しい車両で、みんな静かに揺られていました。
その静けさの中、電車のモーター音がそっと響いていました。
次の駅で、数人が降りました。
そのあと電車が走り出すと、ふわっとしたあの感覚がやってきました。
すると、なんだかわくわくというかどきどきというか、不思議な気持ちになりました。
ずっと昔に行ったことがあるのに、記憶から消えてしまっていた場所を思い出したような気分になったのです。
そしてこの地下鉄は、その場所のすぐそばまで行くような気がしました。
降りたことの無い途中の駅で、降りてしまいそうになりました。
そこに何かあるような気がしたからです。
でも理性がそれを止めさせました。そんなはずはない。ここは東京だ。
そしていつもの駅で降りると、いつもの町が僕を待っていました。
■ママ | たまには仕事の話ばかりじゃなくて、こういうお話もしてほしいな。
..2004/05/29(Sat) 10:20 (7)
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■ミチノキ | 短編小説みたいな後味ですね・・ わたしも、同じような体験、あります。 昔から、よく見る街、夢はどこかとつながってるんじゃないだろうか、どこかに実際あるんじゃないか、また、ふと、ここの駅でおりてみようかな・・ 人間の記憶というものは、どこからの記憶を抱いていきてるんでしょうね・・・ ..2004/05/30(Sun) 00:16 (8)
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