とうとう……見つけた!!

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高校2年生から3年生にかけて、米国に交換留学生として留学していました。
当時、本当にお世話になったホストファミリー。本当の家族のように接してくれて、本当の家族と同じくらい大切だった。

そんな彼らともいつからか、日々生きることに追われて連絡をとらなくなってしまった。
やっと自分の余裕ができ、再び連絡を試みたときには、彼らの居場所がまったく分からなくなってしまった。

それから僕は不定期に、様々な方法でその家族を探した。
ある日、出身校のホームページからリンクされていた、当時住んでいた街の掲示板を見つけ、もう10年以上前のことだからと半ばあきらめつつその掲示板に、書き込みをした。知ってる方がいたら連絡をくださいと、メールアドレスを残した。

すると、ある人からメールが来た。

「あなたが探している家族は、僕の知っている家族かもしれない。僕はその家族の次男の友人です。その友人はいまハワイに住んでいるはずです。そして、お父さんは数年前に亡くなったはずです。僕が知っている電話番号は○○○。ここにかけてみてください」

そう、その家族に違いなかった。
数年越しでやっと手がかりを得た僕は、すぐさま電話を手にとってその番号へかけた。
しかしその電話は通じなかった。

それからまた何年も過ぎた。
僕は結婚して家庭を持ち、30もとっくに過ぎた。
それでも僕の脳裏にはしょっちゅう、あの家族のことが蘇った。
いまの僕の大事な部分をつくりあげてくれた留学生活。
その生活があったからこそ、今の僕がいるのだということを、年を追うごとに強く感じていた。
僕が英語の力を生かす仕事をしているのも、その経験があったからに違いない。

先週のこと。
mixiで友人の日記にコメントしながら、ふと思いついた。

「mixiは本名で登録している人も少なくない。米国で最大のSNSに登録してみたら、あるいは彼らを見つけられるかもしれない」

米国最大のSNSは、MySpace.comだ。
すぐにアカウントを登録した。
そして、ユーザーの検索ボックスに、ホストブラザーの名前を入れる。
当然、数え切れないほどヒットした。
絞込み検索で、「アメリカ属領諸島」を選ぶ。ハワイに住んでいるかもしれないから。
だめだ、見つからない。
今度は、「アメリカ合衆国」で絞り込む。
それでも、何千という数の人がヒットする……。

こりゃダメだ……、と思いながら、検索結果のページをひとつめくった。
すると、こんなプロフィールの人が目に止まった。

Gender: Male
Age: 35
Location: LOUISVILLE

Louisvilleという町は米国に複数あるが、ケンタッキー州最大の都市もLouisvilleだ。
年齢も合致する。
そして何よりピンときたのは、その人のプロフィールの写真だ。
本人の写真ではなく、ゲームのキャラクターの写真だった。
僕は当時から大のゲーム好きで、ホストブラザーの彼とはよくゲームをした。

もしかして、という期待を込めて、その人にメッセージを送った。

そして毎日、何度もメッセージの返信がないかチェックした。
返事は来ない。

数日が経ち、ほぼあきらめていた今日、メッセージをチェックすると、返事が来ている!

「人違いだよ」って返事かもしれない。でも、本人かもしれない。
期待と不安に満ちた思いで、メッセージを開けた。

そこには、15年近く連絡のとれなかった、彼からのメッセージが。

とうとう見つけたのだ。

思えば、インターネットも電子メールもまだ一般的ではなかった時代だった。
連絡手段といえば、手紙か、高額な国際電話しかなかった。
いまは、インターネットという強い武器がある。

もう連絡がとれなくなることは、ないだろう。

こんなに嬉しいことはない。

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