iPhoneについて勘違いしないでほしい

この記事は約4分で読めます。

ソフトバンクがiPhoneを獲得したことがあちこちで話題になっている(ここでも話題にした)けど、iPhoneのどこが一体すごいのか、わかっていらっしゃらない方が多いようなので、あえて書いてみようと思います。

iPhoneといえば、スマートな外観。
iPhoneといえば、洗練されたGUI。
iPhoneといえば、高性能なOSやアプリケーション。
iPhoneといえば、タッチパネルによる次世代的な操作感覚。
iPhoneといえば、iPodとの一体化。
iPhoneといえば、快適なWebブラウジング。
iPhoneといえば、、、、

ちがいます。

上記のどれも、iPhoneが100万台売れた根本的な理由を示してはいないのです。
iPhoneの何がすごいのかというと、

月々たったの20ドルで、通信し放題

これです。
この料金プランがなければ、iPhoneはここまで売れなかったのですよ。
だってそうでしょ。
従量課金(パケット量に応じて課金)されてたら、iPhoneでYoutubeの動画見ますかね。
Google Mapsで地図調べたりしますかね。
GMailやYahoo! Mailでメール送受信したりしますかね。

しないでしょ。

どんなにすばらしいブラウザ(Safari)がついてても。
現状の定額プランは、一部のネット/携帯依存症にかかっている人以外には、高額すぎるのですよ。

で、iPhoneの安い通信プランを提供して、得をするのはどこですか?
携帯キャリアですか?違います。彼らはヒィヒィ言ってるはずです。
まず利用者が得をします。これは当然です。
それから、アップルコンピュータが得をします。

このビジネスモデルは、携帯業界においてものすごく画期的なことなのです。

いきなり話が飛ぶように思えるかもしれませんが、ガラパゴス諸島をご存じでしょうか。
大陸とは隔絶された環境で、独自の進化を遂げた生物がたくさんいる島です。
ガラパゴスペンギンとか、ガラパゴスウミガメとか。

生物の進化以外の世界でも、周囲から隔絶されて独自の進化を遂げることを、
ガラパゴス現象といいます。

日本の携帯ビジネスは、まさにガラパゴス現象のいい例です。
日本の携帯キャリアは、日本独自の仕様を守りたい。
だから、仕様は全部キャリアが決めて、メーカーに携帯端末を作らせる。
日本の携帯電話機メーカーは、日本のものすごい独自化した仕様にあわせて携帯を開発しなきゃいけないから、世界各国で売れる携帯を開発したければ、追加の手間がかかる。
こういった事情が原因となって、日本の携帯メーカーには高度な技術力がありながら、海外の携帯メーカー(ノキアとか)と競うことができず、負けてしまったのです。
三菱電機が撤退するなんて言い出したのも、もう元が取れないからですよ。

ちなみに携帯の通信方式で、GSMという方式に対応していない国は、携帯を使う主な国の中では日本と韓国だけであります。

このように、NTTドコモとかKDDIとかソフトバンクのようなキャリアが主導で規格を作り、囲い込み、サービスの値段を決めてやってきたなかで、海のむこうアメリカでは、iPhoneが現れた。
iPhoneは、キャリア主導型のビジネスではないのです。
携帯機器メーカーでしかないアップルが、ビジネスモデルに注文をつけた。
安価な通信プランをAT&Tに提供させた。
これはものすごい革命だったのです。

こんなものが日本にやってきたら、
日本の湖にブラックバスを放つようなもんです。

しかし、アップルにとって残念なことに、そして日本のキャリアにとってはうれしいことに
iPhoneはGSMにしか対応していなかった
つまり、日本では通話できない。

ところが、アップルは日本で採用されている通信規格(W-CDMA)対応を発表。
日本の携帯市場のガラパゴスは、外来種の危機にさらされることになったわけです。

こうした事情を踏まえ、ソフトバンクの孫さんが、安価な定額通信プランを出さないわけがない。
2000円でインターネットもメールもやり放題なんてプランが出たら、
iPhoneのデザインにも機能性にも興味がない人でも、興味がわくでしょう。
いつでもどこでもネットが使えちゃうのです。
そう、まずはじめに、この料金体系ありきなのです。
ブラウザが便利だとかそういうのは、全部付加価値。

以上、そんなのもう知ってるよ、って人にはゴメンナサイの話でしたw

ところで、こういう話を書いていると、iPhoneが欲しくなってきてしまうw

コメント

  1. ちゃぼ より:

    へー。

    みんなひっくるめて2000円/月?

    それなら欲しいかも。w

  2. うずら より:

    いや、携帯の基本料金とか別なんだよねー。
    でもアメリカでiPhone提供しているAT&Tも、ソフトバンクと同じようにインターネットのプロバイダでもあるのね。
    AT&Tのプロバイダに入ってる人は、20ドル追加するだけでネットとメールは使い放題みたい。
    だからソフトバンクも、ヤフーBBと組み合わせてくるかもしれないね。

  3. わい より:

    通話、インターネット、メール全部で3000円くらいだったら考える。それならYBBに乗り換えてもいい。

  4. うずら より:

    通話も含めて3000円はちょっと難しいかもねw

  5. ちゃぼ より:

    それに合わせてドコモも安くしてくんないかな。

  6. うずら より:

    ソフトバンクが安くしたらドコモもAUも安くせざるを得ないでしょ。
    しかしドコモは企業体質がいつまでたっても変わらないからねえ。
    ちなみにドコモもiPhone獲得したくてまだ頑張ってるという噂もある。