NetBookやUMPCと呼ばれるジャンルがある。
このブログでも何度か記事にしてる、持ち運びに便利なPC。
ASUSのEee PCを皮切りに、一部のマニア層の支持を受けて広がってきた市場だが、現在の主要購買層は既にイノベータやアーリー・アダプタを越えている。
正確に言うとNetBookとUMPCは似て非なるものなんだけど、ここでは一緒に扱うので、まとめてUMPCと呼ぶことにする。
PC全体の市場におけるUMPCのシェアはいま25%くらいだと言われているが、信頼できる情報源によれば、既に40%~50%のコンシューマ市場はUMPCによって占められているらしい。
これは自分が予想していた数字よりも大きかったのでびっくり。
2009年は、SaaSをはじめとするクラウドコンピューティング市場の伸び率がうなぎ上りになることが予測されているし、小型で非力、しかし軽量でバッテリーが長持ちするPCが売れる傾向はますます加速するだろう。
一般的なノートPCと、UMPCは一体何が違うの?
UMPCの特徴をあげてみる。
- 小型である(小さな液晶画面、
- CPUが違う(Core系のCPUは一般的には使われず、Intel ATOMやVIA C7-M ULVが使われる)
- 内蔵ストレージとしてSSDが選択できるケースが多い
- OSがWindows XP中心
- 光学ドライブを内蔵していない
基本的に、インターネット(Web、メール)くらいしか使わない人にとってこれで十分。
オフィス系のソフトウェアももちろん動作する。
ほとんどの人がそれぞれの限定された用途でしかPCなんて使わないわけで、フルスペックの機能なんて必要ないんですよね。
ハイパフォーマンスが求められるPC(ゲーム用、動画編集用など)を持ち歩きたいなんて思ってる人はごく少数だろうし。
自分も仕事でDELLのノートPCを使ってるけど、正直なところ不要なものは全部取り除いて、その代わり起動を0.1秒でも速くしてほしいとか、電池を1秒でも長持ちしてほしいとかよく思います。
仕事で使う持ち運び用PCなんて、ぶっちゃけ白黒の液晶でもいいんじゃないかと思う。
プレゼンするときだけ、外部出力(アナログRGB)にカラーが出せればそれでいいじゃん。
誰かそういうPCを作ってくれないもんか。
こういう話を突き詰めると、結局のところ使ってるOSの制約が一番大きいってことになる。
だからこそ世界中でスマートフォンが売れまくってるんだろう。
だってiPhoneすっごく便利だもん。
外出中にメールチェックしなきゃいけないとき、わざわざ喫茶店に行ってカバンからPCを取り出して、データ通信カードを繋いでPCの電源入れて、起動を待ってデータ通信の接続してメールソフト起動して、送受信して・・・。
手順が多すぎていやになるんだけど、これまたPCがスタンバイ状態や休止状態からうまく復帰してくれなかったり、復帰してもものすごく処理が遅い状態になったりと、トラブルに事欠かない。(ちなみにMac OS Xでこういうことは殆どない)
iPhoneなんてもう、ホームボタンを押してロック解除してメール起動するだけ。
1秒でできちゃう。
返信もできるし。
だから世の中、シンクライアントに注目していくのはいい話。
しかしシンクライアントを見ていると、妙な気分になる。
汎用機の時代を彷彿させる。
っていうかこれマジでホストと端末の関係と何が違うのよと。
10年くらい前には世の中、ダウンサイジングの嵐だったわけですが、
その頃からオープン化に疑問を持ってる人はたくさんいた。
オープン化っていうけどさ、何もないところに市場を作り上げてるだけだったんだ。
まあそれを人は「ビジネス」と呼ぶんだけども。
シンクライアントの台頭については、すでに2000年くらいから話題になっていたと思う。しかし当時のPCやサーバのスペックでは、あまりにもコストがかかりすぎた。それから周辺技術も十分に確立されてなかった。
集中から分散へ。
そしてまた時代は、集中へ。
おもしろいじゃないか。
データを集中管理できるということには、もちろんメリットもあるしデメリットもある。
しかし現在世の中でものすごいコストになっているもののうち、たいへん重要な問題をいくつも解決できるのが集中型、つまりシンクライアントモデル。
……メインフレームと端末、と言い換えてもいいんだけど。
シンクライアント化が進めば、PCのダウンサイズは一層進み、UMPCに求められる処理能力はかなり限定されたものになるだろう。ホスト側の処理を補助する機能が発達し、スタンドアロンで処理する能力は削減される。
逆にサーバ(ホスト)側はどうなるかというと、より堅牢で信頼性が高く、高い処理能力を持ったものが求められる。
通信プロトコルやバックエンドの技術は変化してるけど、これって汎用機の時代のコンセプトと同じなんですよねー。
誰か違いを教えて、偉い人。
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