静と動

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家の中をきれいに片付けて、掃除して、シーツも枕カバーも洗濯して、窓を全て開けて、太陽の匂いがする畳の上でにゃーちゃんとゴロゴロする。

商店街で生ハムとコーヒー豆と生胡桃とハニーピーナッツとピクルスを買う。

行きつけの喫茶店でハンドドリップのブレンドコーヒーを飲みながら一服する。

きれいに片付いた部屋でしばし瞑想をして、今後の計画と戦略を立てる。

思いついたことをノートに記録して、必要な準備をする。

課題リストを更新して、今やるべきことをコツコツと進める。

集中が途切れたら外はもう真っ暗。お湯を沸かして塩を投げ入れ、パスタを茹でる。

切れ味の良い包丁で具材を切り、アーリオオーリオしたフライパンに茹で汁をお玉で足して乳化させたあと、具材を投入する。

晩御飯を済ませてコーヒーで一服し、にゃーちゃんにおやつをあげる。

今日の太陽もパワフルだったね、月が綺麗だね、なんて話をしながらのんびりして、読みかけの本を読む。

風呂を沸かし、ゆったりしながらまた、今後のことについて考えたりまとめたりする。

風呂から上がり、Netflixでドキュメンタリーを観ながら頭の整理のパズルをする。

今日はとてもいい日だったね、いつもありがとう。大好きだよって、にゃーちゃんに語りかけて、眠りにつく。

幸せは今ここにある。


今週から様々なことが切り替わる。

僕は僕らしくあることにソフトタッチなブレーキをかけ続けたり、ブレーキペダルに足を載せるスタイルをやめることにした。僕は僕らしくある。

時速300キロで流れ去っていく景色の中でクリッピングポイントを見極め、エンジンを咆哮させながらギアを落とし、駆動輪に最大のトラクションをかけながらコーナー出口を見据えて加速していく。

オイルとタイヤの焼ける匂いに包まれながら、あらゆる機械が与えられた仕事をリアルタイムでこなしていく。サスペンションは軋みながら荷重を受け止め、ドライブシャフトは吠えるエンジンのパワーを後輪に伝え、溶けたタイヤのゴムは原子のひとつひとつまで粘りよく駆動を大地に伝える。


僕たちはエントロピーに逆らう存在だ。

それを否定したその瞬間から、人生は生ける屍のための墓場になる。

今この瞬間に感動と全力を。

苦しみも喜びも幻。

刹那に捕らわれず、己が生きる価値がどこにあるのか、己が示せ。

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