最近よく、明晰夢をみる。これが皆の言う明晰夢と同じなのかどうかは分かりようがないが、フルカラーで細部までよく覚えていて、会話もするし、匂いもある。
夢1:高層マンション
とても広いリビング。これまた広いダイニングキッチンはリビングと繋がっているが、2段くらいの段差がついててリビングの方が少し低くなっている。リビングとダイニングキッチンの境界線にある段差には間接照明が仕込まれていて、足元をやんわりと照らす。
僕はゆったりとした心持ちでリビングの真ん中にいる。周囲には、引っ越し屋さんの作業服を着た人がざっと見て少なくとも20人はいて、家具を運び入れている。家具ひとつひとつはとても高級そうで、大きい。家具はまるでそこに置かれるタメに設計されたかのようにピッタリと部屋にフィットしている。
次々と開梱されて並べられていく家具。作業はテキパキとしていて、とても丁寧だ。
メガネをかけてスーツをビシッと決めた女性が、手帳のようなものとペンを持ちながら指示をしている。その女性が僕の存在を認めると、近づいて声をかけてきた。
「すべて順調に進んでいますので、ご安心ください」
リビングからバルコニーへ続く広い窓のところに、母が立っていた。こちらを振り向くと、
「いい部屋じゃない! こんな素敵な部屋に住んでるなんてあんた何も言わないんだから。あんたのことだからきっと家具もありあわせで済ましてると思ったら案の定だわ。それにしても本当に心地よい部屋ね、日当たりも良いし」
僕は何も答えずに頷くと、大きな掃き出し窓の一つを開けて、バルコニーに出た。
バルコニーの奥行きは10メートルくらいある。とても広い。外の景色を眺めようと手すりに手をかけて覗き込むと、眼下には雲海が広がり、雲の隙間から何かが見えた。高層ビル群の屋上が並んでる。
いったいここは、何階なんだ?
遥か下の方に見える高層ビルだって相当な高さである。僕が今いる階は、高層ビル群の屋上よりもはるかに高いところにある。
視線を下から前に移すと、雲から突き出すように何本かのビルがある。こちらのビルにも匹敵しそうな高さのビルが何本かある。
地平線の方に目を移すと、真っ白な美しいビーチと、真っ青に広がる海。陸側には緑の深い森が広がる。
部屋に戻ると、食器棚の設置をしている作業員のひとりが、こちらを向いて微笑んだ。その顔を見て驚いた。蛭子様じゃないですか。どうしてこんなところで、こんなことしてるんですか。
蛭子様の片腕は細長く、まるで蟷螂の腕のように折り畳まれている。満面の笑顔で、楽しそうに作業をしている。
他の作業員に目をやると、みな神様たちだった。
なんで神様が僕の家具を運び入れているのだ?
誰も答えてくれない。笑顔でせっせと作業を進めてる。
そこで、頭の中に情報が入ってきた。
なるほど。僕は一瞬で理解した。
何を理解したのか、現世で肉体という制約のある今はうまく説明ができないけれど。
うまくいくかどうかわからないが、僕が理解したことを日本語で説明してみよう。
- この世界は現世での行いが反映される世界である。
- ここでは時間は無意味。ここは未来とも言えるし過去とも言える。現世(わたしたちの住む通常の世界・宇宙)と違う次元で同時に存在する。
- 現世とリンクしており、この投稿を書いている今もどこかに存在している。
- 高い階層になれば景色もよくなり、エネルギーも高くなる。そして天に近くなる。
- 同じように同時多発的に存在する世界がたくさんあり、それらはすべて繋がっている。
- わたしたちが過去の記憶や未来の夢と思い込んでいるものも全て包含して、同時に影響し合っている。
わたしは、多くの神様に応援してもらっていることを認識して、心の底から湧き上がるような安心に包まれた。
そしてわたしはその部屋にいながら、別の次元のたくさんいるわたし(和多志)を思うように動かしている。
秘書のようなスーツを着た女性は、わたしの全計画を知っており、自ら賛同して協力してくれている。彼女が誰なのかは、まだ理解していない。
この夢から覚めて数日後、あることを思い出した。
「あの世界、行ったことあるぞ」
何年も前、夕刻にソファでうとうとしてしまった時にみた明晰夢。
あの時は目覚めて、あまりにも美しい景色や建物その他のデザインや幻想的な雰囲気に圧倒されて、スケッチブックを引っ張り出してきて景色を描いてみようとしたけれど、どうにもうまく表現できなくて諦めたんだった。
あの時見たのは、マンションの玄関の外だ。これも普通の景色じゃなかった。マンションなのに、各戸の玄関前には芝生の庭が広がり、高層階なのに車のようなものも停まっており、廊下は車が通れる広さだった。廊下の手すりの先には、まるでアマゾンかテーブルマウンテンかのような原生林が広がり、その上には植物が吐き出した靄がかかっていた。
今回見た夢と同じマンションではないか。
特に落ちはないのだが、印象に深く残る夢だった。
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