風が吹き、扉が開き閉じる。
バタンバタンと音を立てる。
それは暫くの間続く。
やがて風は止み、扉はその先にある野原を開け放つ。
事を乗り越えた後には必ず炎が舞う。
炎はヒトの目に見えない色をしている。
それは圧であり、ひとつの状態だ。
揺らぎ。
声が届く。
その声は音ではなく、言葉でもなかった。
ただ、わたしの中に鳴り響くのだ。
それは伝えてきた。
素戔嗚を知っていると思うなと。
素戔嗚尊は躍る。
その姿が見える。
豊穣の稲が揺れる大地の真ん中で、
夕陽を背にして
長い影と共に躍る。
わたしは、荒川の意味を知る。
ほんとうの意味を。
そしてなぜ、荒川で素戔嗚尊が素盞雄神社で祀られているのか。
さらになぜ、事代主神が飛鳥大神として祀られているのか。
事代主神は、大国主神を父とし、神屋楯比売命を母とし、建御名方神を弟とする。
わたしはここでまた、諏訪とのつながりを得た。
国譲りを解くこと。
稲佐の浜で天が陰陽に割れて、それを目の当たりにしてから、わたしはようやくここまで導かれてきたのだ。
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