Who and where

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変な夢を見た。

どこか海外に行って、いろんなことしてて、

帰ってくるときに、空港で荷物を取り戻すのに苦労して、

ようやく全部取り戻したんだけど、

空港から帰ってくる道のどこかで、

ぼーっとしてたのか、荷物を道端に置き忘れてきてしまう。

その荷物を探すために通ってきた道を戻ろうとするんだけど

それがよく思い出せず、住宅街とか幹線道路の脇とか山道とか

いろんなところを通ってきた記憶を辿りながら探すんだけど

見つからない。

そうこうしてるうちに疲労困憊して、

そもそも荷物を置き忘れてきたのもクタクタに疲れてたせいもあったんだけど、

なぜか知らない人に助けてもらう。

その人の家の前をウロウロしてたら、その人が出てきたので

怪しい者じゃないですよ、ただこういうわけで、荷物を探してるんですって

そう説明したら、家に入れてくれて

僕はそこで眠ってしまったらしい

夢の中で目が覚めると、その人の家で、

ベッドに眠ってた。

どうやって僕を運んでくれたんだろう? とか

わざわざ布団までかけてくれたんだとか、

僕の荷物も部屋の隅に整頓されてて、ああ、優しい人なんだなって思って

でもみんな寝静まってるみたいで、まだ深夜か早朝かな

このベッドを使う予定だった家族はどこで眠っているのだろう

このお家には何人住んでいるのだろう

そもそも見知らぬ僕が突然あつかましく家に上がって

さらにあつかましく、眠ってしまって、

そんな人を泊めてくれるなんて、よほど心の広い人だなって感じた。

僕は見つからない荷物のことが氣がかりで

でもなんか、もう取り戻してるかも? って思って

ソワソワするような、安心しているような、複雑な心境で、

ここの家主? 僕と話した人は、

顔も覚えてないけど、なぜか初めて会った感じではなくて、

なつかしいような、魂の奥底をくすぐられるような、

とても大切な人だって感覚が湧いてきて、

でもそんなのおかしい、この人には大事な家族があって、

この家を見ればわかるじゃないか、幸せそうに暮らしてる。

それを、今さっき出会ったばかりの僕が身勝手な感覚だけでモノを言って

壊すわけにはいかないのだ。

でも、魂が伝えてくる

この人は、初めて会ったけど、初めてじゃないって。

それはそれは長い時間をかけて、

想像を絶するほど、いろんなことを共に経験してきた人だって。

そうか、そうなのかもしれない。

でもそれを認識しているのは、僕だけでしょ。

あの人にはその記憶がないのだから、

僕にできることは、とくに無い。

このまま家の人が目覚めたら、お礼を伝えて、去るだけだ。

もしかしたら、朝ごはんくらい食べて行ってって言われるかもしれない。

でも僕は、さっき知り合ったばかりの珍客として振る舞う。

魂の声を無視しているのではない。

ことを荒立てないようにするだけで、

僕は魂の声を信じていないわけではない。

そうしてまた、不思議な街に出ていく。

そう、夢によく出てくる

不思議な不思議な街へ。

帰るところがあるのかどうかも、よくわからない。

僕はいつも、外の景色に見とれてしまう。

あの山の向こうには何があるんだろうか、とか

人が住んでいるのだろうか、とか

非現実的な山道の先に非現実的な高速道路があって

非現実的なトンネルをくぐり抜けると

山奥なのに非現実的な大都市があって

大都市の迷路を歩いていると

非現実的な田舎風景や

非現実的な古い家屋の並ぶ町並みがある。

僕は、いつもじゃないけど、しょっちゅう

自分の家を探してる。

見つけるときもあるけど、

ひとつじゃない。

複数の家が、繰り返し、夢に出てくる。

そしてその家たちは、一つ残らず、おかしな家ばかりなんだ。

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