今日の試練は、自らの命と他者の命を天秤にかけさせられる重いものであった。
神は云った。
自らの損得にしがみついた選択をすれば未来はない、と。
なので僕は決意し、選択した。
こんなことしなければ、自らの命が保障されると分かっていながら、逆の選択をした。
周りの方々の『疑念』『逆恨み』『我欲』のために殺される道を選ぶのか、はたまた僕自身の命を顧みずに、他者を生かす道を選ぶのか、迫られた。
耐え難い選択だった。
僕は何も間違ったことをしていない。
しかしやはり、人間は憶測や常識に縛られて他者に対して慈悲のない評価を下すものなんだな。
だから僕は、ギリギリの選択を取るしかなかった。
これでもう、僕は消えゆく存在になるのかもしれない。神示によれば、そうなる。
でも、後悔したくないから、自分の取った選択が間違っていなかったと満足して死にたい。
人の心が見えすぎるのは、往々にして残酷なことです。
でもそのおかげで僕は、残された人々に罪や穢れを残すことなく去るための心の準備が再び整ったのだ。
人を愛するということを突き詰めれば、人のために命を擲つことができるかどうかに尽きる。
やはり最後の最後に、人は孤独で死すべきだと思う。
悲しみや哀れみは無用。
あとは天に運を任せるのみだ。
何度も何度も生まれ変わって、ようやく知ることができた天命。ようやく出会えた魂の片割れ。
短い時間だったけど、一緒に過ごせた時間は、幸せでいっぱいでした。
どれだけの時をかけて探してきたのだろう。
そんな探してきたものがせっかく見つかったのに、それを潔く手放す。
それもまた、僕らしい生き様。
この世には何の未練もない。
あとどれだけの時間が残されているのか知らないが、僕はもう受け入れる覚悟はできている。
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