会社の同僚や友人から、「読書したいけど読む時間がない」という話を最近よく聞くので、今回はいかにして読書の時間を確保するかという話。
読書の時間についてしばらくネットサーフィンもしてみたんですが、読書好きのみなさん、様々な個性ある方法で工夫しているなあ、と感心しきり。
読書が好きという人が少なくなった昨今ですが、僕は知り合いに読書馬鹿と言われるくらい本が好きです。
本当に、悪くなったのが目じゃなくて耳でよかったと思ってしまうくらいに。ちなみに視力は、いまどき近眼とか乱視とか持っていない人のほうが珍しいらしく、よくコンタクトつけてるの?と聞かれますが、左右ともに1.5の健康な目を持っています。
先日、ジャンルを問わず去年1年間で何冊読んだかざっと計算してみましたが、120冊くらいでした(もちろんマンガや雑誌以外ですよ)。1年は365日ですから、3日に1冊のペースですね。これには自分でびっくり。こんなに読んだっけかな……?
図書館なんかに行くと、これ(図書館)をひとつ所有できたら本当に幸せだろうなぁ~なんて妄想してしまいます(笑)。同時に、世の中には無数の本があって、日々増え続けているわけですね。なので読むジャンルとか作家とかが限られてくるのは必然なわけですが、それでも大きな本屋さんや図書館に行くと、普段読みもしないようなジャンルの本が並んでいるところに好奇心でヒョコヒョコ行ってしまい、そこに新しい世界を見つけてしまったりするのです。
本のにおいも大好きです。本屋、古本屋、図書館。紙のたくさんあるところにある独特のにおいが、たまりません。(余談ですが、耳を悪くしてから、昔から敏感だった嗅覚がさらによくなってしまいました)
さて、本題に戻りますが、僕は現在までずっと、どんなに忙しいときでも読書のために時間を確保してきました。手前味噌で恐縮ですが、いくつかご紹介したいと思います。
まずはじめに大前提なのですが、「常に携帯する」ことが肝要です。仕事でも、プライベートでの外出でも、雨の日も風の日も、健やかなるときも病めるときも。文庫本は持ち運びに便利ですが、ハードカバーは読みやすいですね。
読書の好きな方は、お気に入りの「お出かけかばん」を用意するといいですよ。僕も最近作りました。どこに出かけるときも、そのカバンひとつ持って行けばいいのです。中には読みかけの本や、電子手帖、耳栓、薬一式、その他暇つぶし用品、ハンカチ、ちり紙などが入っています。
【図書館で読む】
時間のある人はぜひ、図書館で読書をしてみてください。幸せな時間が過ごせます。近々、国会図書館の個人登録をしようかと思っています(入館手続きが簡易になります)。著作者や出版社にとっては本がたくさん売れた方がそれは嬉しいのでしょうが、図書館も公営ばかりでなく、もっと充実してほしいなあ。そういえば、軽トラックで移動図書館をはじめた青年、いまでは有名人になって「暮らしの手帖」の編集長に抜擢されたなんてニュースも見ました。
図書館の厳粛な雰囲気が落ち着く、という人にはお勧めです。静かだし、調べものとか読書のために休日を使って図書館を訪れる人もたくさんいるんですねえ。
受験シーズンには、特等席はみんな受験生にとられてしまいますけどね。
それから、最近の図書館はデジタルメディアや映像メディアなども充実しているようです。
パソコンを使った図書検索なんて当然なんですが、扱っているもののほうです。映画やテレビ番組、ドキュメンタリー、その他のビデオや、音楽CDなんかも置いてあります。置いてあるものは当然HMVやタワーレコードとは違いますけどね。
図書館に訪れる時間が確保できる生活をしている人は幸せだと思います。あとは近所に図書館さえあれば。
読み終わらなかった本は借りて帰れますし。返却は期限内に忘れずに!
【本屋や古本屋で読む】
これは「読む」というより「吟味する」ですね。
ときどき商品を読みふけっている客がいますが、店員の代わりにハタキかけてやりたいですよ!(笑)そういう人に限って、自分が読みたい本のある棚の前に陣取っていて、読書に集中してしまっているから、どいてくれなかったりする。はい、図書館に行ってください。
吟味するというのは、けっこう重要だったりするのです。図書館では、トレンドがわかりにくい。何が売れてて何が話題になっているかとか、新作で平積みになっているのはどれかとか、そういう情報は本屋さんで。それから、本屋さんのタイプによって平積みする本に差があります。そこらへんを理解してくると、本屋さんをカテゴライズできるようになってきます。本屋さんデータベースでも作ろうかな。
結論。本屋で商品を熟読してはいけない。読むなら買ってからね!
僕の行動パターンからすると、本屋のすぐそばに読書できる喫茶店があると嬉しい。本屋が喫茶店を経営すればいいのに、って思っていたら、最近読書バーなんていうのがあるらしいですね。私設図書館を設けた喫茶店です。マンガ喫茶ならぬ、活字喫茶?
【喫茶店で読む】
前項で書いた活字喫茶ならもちろん読書をしても問題なし。
喫茶店によっては、混んだりするとお客さんの回転に気を使うので、長時間の学習や読書はご遠慮くださいと張り紙がしてあることがあります(うちの近くのスターバックスもそうです)。張り紙がなくても、マナーとして混んでいるところでは、ちょっと、ね。
喫茶店で読書をするには、読書に向いた喫茶店を見つける必要があります。
自分に合った喫茶店探し。これがまた、楽しい作業なのですよ。
店内の雰囲気、明るさ、温度、湿度、メニューの内容、コーヒーの味、テーブルの広さと高さ、椅子の座り心地など。これ全部読書に関係します。タバコを吸う方なら、気持ちよく吸える環境かどうかとか、嫌煙者なら、タバコの煙がこない席が確保できるか。
「これだ!」と思える喫茶店を見つけたら、そこに通うのです。それで店員さんやマスターに顔を覚えてもらえます。
図書館、本屋、喫茶店という場所で読書をするのは、比較的時間に恵まれた方ですね。
【電車で読む】
日常生活の中で電車に乗る機会がある方、絶好のチャンスですよ。電車こそ、素晴らしい読書の時間です。
ただし、電車の席に座れたときは、居眠りに注意!それから、いくら読書に集中していても、目の前に杖をついた老人がきたらそれくらい気づいて席を譲る余裕を。読書は立っていてもできます。
個人的には立ち読書は、文庫本のほうがやりやすいですね。ページを押さえやすいです。僕は以前はずっと店でかけてくれる紙のカバーをかけていたんですが、読み終わった本を本棚に入れるときはカバーを外してしまいます。なので蔵書を再読するときには、いくつか保管している紙カバーをかけて読んだりしていたんですが、ここ最近はずっと、Amazonでもらった合皮のブックカバーを愛用しています。結構いいんですこれ。
電車での読書は、乗っている時間によって読める量が左右しますね。
ひと駅しか乗らないから読めないって?いやいや。読書は電車に乗る前から始まるのです。
読書好きは、カバンのいつでも出せるところに本を入れておきます。改札を通ったら、切符(定期)をしまって、すぐに本を出します。ホームで立ち位置が決まったら、読書開始。電車を降りる直前まで。
栞を常に出せる手さばきが重要です。なぜなら、「ハッ!」と気づいたときが、降りる駅でどたばたすることが結構あるからです(笑)。そういうときは、サッと栞をはさんで、カバンに本を突っ込みながら下車してください。ちょっと前に流行したジュラルミンとかアルミのハードケースだと、そういうときに本の出し入れが面倒なので駄目です。文庫本だと、コートやスーツの上着のポケットに入ります。でも、入れっぱなしにしているとスーツの形が崩れるので気をつけましょう……。
まれに電車で乗り物酔いをする人がいるようですが、そういう方は残念。
【バスで読む】
電車と比べて、バスで読書をする人は少ないです。理由は、車酔いする人が多いということと、電車よりも車内が暗いことと、揺れることです。片手にカバンを持って、もう片方の手に本を持っていたら、どこかにつかまることができませんね。いや、できるんですけど、ちょっとしたテクニックが必要ですね。
以上のことから、読書家の理想的なカバンというものを考えてみました。
- 肩にかけることができる(両手が使えるようになるし、本の重さが負担になりにくい)
- 本が簡単に出し入れできる、またはそういうポケットがある(本を出し入れするときに他の荷物を落とした、なんてよくある事故)
- 足下の床に置いても倒れない、へにゃっとしない、底側が汚れに強い(片手に本があるので、床にカバンを置いて足ではさむことが多い)
- 出しやすいところに携帯が入れられる(メールや電話の確認、読み過ぎ防止のアラーム、時計代わりにも)
- 本を複数いれても、折れたり曲がったりしないように仕切ることができる
- 雨を通さない(これ重要!突然の雨で本が濡れたら悲しい)
- 折り畳み傘が収納できる、本とは別に
こんなカバンあったらほしい……。
【風呂で読む】
以前、風呂で本を読む話をしたら、えっという顔をされることがよくありました。家内も「お風呂で読書?」と不思議がっていました。もちろん行儀の悪いことだとは自覚しているのですが、風呂で読書をすると、いいことがたくさんあるのですよ。
風呂で読書をするなんて信じられない、という方の多くが真っ先に思うのは、本が湿気でしわしわにならないのかとか、本を濡らさずにどうやって風呂で読書するのか、ということです。僕の場合は、まず乾いたタオルをひとつ用意します。一番風呂であれば問題ないですが、既に家族の誰かが風呂を使った後なら、風呂場は湿気と水滴だらけです。タオルで、「風呂釜のフタ」を拭きましょう。そして、そのフタを自分の上半身が入る部分以外、風呂釜に乗せます。つまり、半分フタをされた状態にします。あとは、それをテーブル代わりにして読むだけ。室内の湿気があまりにも多いときは、換気扇をまわすとか、窓を少し開けるとか、窓がなければドアをすこし開けてしまいましょう。浴室内の温度が低いほうが、長く入っていられます。
しかも、読書しながら半身浴までできてしまうのでした。すぐにのぼせてしまう人は、風呂釜のお湯の量を減らすか、風呂用の椅子を浴槽に沈めて、座ってしまいましょう。そのほうが、テーブルがわりの浴槽のフタとちょうど良い高さ関係になるかもしれません。
先ほどのタオルは、手の届くところに置いておきましょう。けっこう汗をかきます。その汗を拭き取ったり、足が痒くなったりしたら、片手で足を掻くのですが、片手が濡れてしまうので、それを拭いたりします。慣れると、本を一切濡らさずに過ごすことができるようになります。
頭を先に洗っている人は、髪の毛から滴る水滴にも気をつけましょう!
そうそう、風呂というと忘れてはいけないのは、風呂掃除のときも、読書の時間があるのです。
前の日の汚れた水を浴槽から抜いている間です。抜かないと洗えないですもんね。
【車で読む】
運転しながら読むわけではありません!
たとえば、長時間のドライブで高速道路のPAで休むとき。
たとえば、車でだれかと待ち合わせをして待っているとき。たとえ5分でも。
車の中で読むとは限りませんが、いつどこで、読書できるチャンスに出会うかわからないものです。本は常に携帯と書きましたが、当然車にも持って行きましょう。
【トイレで読む】
僕の実家のトイレには本棚があります。これが普通だと思って育ってきたのですが、どうやらそうではないようですね。「本をトイレに置いたら臭くなるだろう」なんて言った友人もいましたが、いや臭くはならないでしょう。僕はあんまりトイレに長居するタイプではないのですが、思いっきりはまっている本があるときは、ついつい本を持ってトイレに行ってしまいます。狭くて落ち着く空間ではあります。いささか座り心地は悪いですが。トイレくらいの大きさの部屋に、最高に座り心地の良い椅子とほどよい高さのテーブルがあったら、素晴らしい書斎になりますね。
狭い空間というと余談ですが、僕が小学生のときに両親が中古の一戸建て住宅を買いました。その家は、前の住人の趣味なのか、変わった改造が施されている箇所がいくつもありました。子供ながら興味を持ったものです。2階には部屋が3つあり、どこを子供部屋にしようか?と家族で話していたとき、僕は一番奥の部屋の押し入れの中が、部屋として機能していたらしき形跡があることに気づいていたので、そこにしたいと言いました。
その押し入れは、通常の押し入れの2倍くらい奥行きがあり、換気扇が付いています。内側からも扉を開閉できるように、内側にも取っ手がついていました。押し入れの上下を仕切る水平の板は頑丈な分厚いベニヤでできており、机として使うのにちょうど良いくらいのちょっと低めの位置につくりつけられていました。
椅子に座った人がちょうど入れるようにその板が切り取られ、L字型をしたテーブルとして機能します。なんとその押し入れにはコンセントまであったのです。
僕はこの押し入れを相当気に入ってしまいました。その小さな空間で、電気スタンドの明かりひとつで、たくさんの本を読みました。ラジオも聴きました。プラモデルも作りました。(シンナー中毒になるからと、プラモデルを作るときは押し入れのドアを開けていました)
当然、ドラえもんの真似をして押し入れに布団を敷いてそこで寝たりもしました。
今はもう建て替えでなくなってしまった部屋ですが、今でもなつかしく思い出しては、いつかあんな書斎が欲しいなと思っています。(いまの自宅にあるウォークインクローゼットでうまくできないかな)
書斎って、子供時代の「秘密基地」に通じるワクワク感があるんですよね。
ひとりだけの空間。
【病院や役所で読む】
最近通院が多いのですが、病院や役所での順番待ちに読書をすることができます。集中しすぎて自分の名前や番号を呼ばれても気づかないということがないように気をつけていれば、絶好の読書チャンスです(笑)
こういうとき、もし全国の役所が「てきぱきと合理的に」対応するようになってしまったら、生活のゆとりがひとつまた消えてしまうなぁと思うわけです。
僕がいま通っているのは市立病院なんですが、それでも再診の予約確認やら、血液検査の予約だとか、みんな電子化していて、「待ち時間」が激減しています。各心療科の窓口にも「ただいま○○時予約の方を診療しています」なんて電光掲示板まであるし。まあそれでもまだ待ち時間はあるので、1回待つごとにOヘンリの短編をひとつふたつ読み終わることはできると思います。(べつにOヘンリじゃなくてもいいのですよ)
【ベランダ(庭)で読む】
ベランダは、絶好の読書の場です。我が家で季節を感じられる唯一の場所でもあります。最近は寒くなったので、コーヒーやココアがあると完璧です。小さいテーブルとチェア、飲み物。喫煙する方はタバコと灰皿とライターも忘れずに。(最近、ホタル族の排煙が近隣住民の迷惑になっているという問題が大きくなりつつあるようです。ご注意あれ)
【料理で読む】
最近めっきり料理しないようになってしまって、まずいなあと思ってたまに腕を振るうのですが、そのときも家内にかなりサポートしてもらっていたりする情けない状態です。でも以前はよく、具が煮えるまでとか、タマネギがしなしなになるまでとか、ちょっとした待ち時間に台所で立ち読みをしたものです。
【寝室で読む】
枕元で読みます。でもこれは、夜更かしの原因にもなってしまうので注意です。
そういう方には、薔薇の名前とか、六法全書とか、広辞苑なんかをお勧めします。あ、広辞苑は結構面白いんですよね……。
【食事しながら読む】
「○○ながら」は、よくないそうです。はい、よくないと思います。
さらに言えば、家族がいるのなら、読書しながら食事すべきではありません。よくドラマのシーンで新聞を読みながら朝食をとるお父さんなんかが出てきますけど、あれはよくないと僕は思います。理由は色々あります。
まあしかし、食事の時間に読書、よくしていました。でも考えてみると、食事をさっと済ましてから読書に集中したほうがいいということに気がつきました。
【テレビ団らんの時間に読む】
家族がテレビを見ているときは、チャンスでもあります。読書の。
しかし、家族と同じところで笑ったり番組に反応できないのは、家族の顰蹙を買ってしまうかもしれませんので、ご注意を。
【昼休みに読む】
外で働いている方、昼休みは1時間ですか?食事にかかる時間を最低限に抑えると、読書に時間をまわすことができます。決して手抜きで食事しろと言っているわけではないのです。昼休みになると突っ伏して寝てしまう人や、雑談を楽しむ人、ネットサーフィンする人、さまざまですが、僕は読書が一番すきです。
【犬の散歩で読む】
散歩といっても、ずーっと歩いているわけではないのが我が家の散歩スタイル。必ずどっかの公園などで休憩します。ここぞ、読書タイム。公園は、場所にもよりますが喫茶店に負けないくらいの読書スポット。
小さい子供がワイワイしているような公園では気が散るだろうし、読書しているあなたの存在が浮いてしまうので、ここはもうちょっと大人の雰囲気を持つ公園を探しましょう。
外で読書するときは、場合によってサングラスが必要です。また、冬なら膝掛けとか防寒着。手袋をするとページがめくりにくくなるので、素手でも大丈夫なように暖かい飲み物とか使い捨てカイロがあると完璧ですね。
その他にも、こんなときに読書しているよ!という情報があったら、教えてくださいね。
コメント