Tamil Movie

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Gopal-san's House

独身男性はルームメイト数人と一緒に部屋を借りて住む場合が多い。写真の女性は、通いの家政婦さん。というかコックさん。

オフィスの仕事仲間に、遊びに誘ってもらいました。
彼には去年も色々連れまわしてもらったり、色々世話になりっぱなし。
先週も、ホテルで暇だろうからと、タミル映画やらハリウッド映画やらボリウッド映画やら、DVDを何本も貸してもらったのです。
ちなみにボリウッド映画というのは、ヒンドゥー映画のメッカ、ボンベイ(ムンバイ)で作られた映画のことです。

とにかく、俺の個人的な感覚でいうところの典型的な南インド人。シャイでちょっと閉鎖的にとられやすいけど、お人好しなくらい世話好きで熱いハートをもっています。

今日はそんな彼と楽しんだ一日について書いてみようと思います。

朝9時半、ホテルでぼけーっとしていると、昨日約束したとおりに携帯が鳴り、「12時半にホテルへタクシーが迎えにいくから」と。
昨年の経験で、週末の外出はなるべく軽装のほうがいいことを学習していたので、腰のベルトに通すタイプの小さなウエストポーチにパスポートとお金を入れて、サングラスだけ引っ掛けて手荷物なし。

時間ぴったりに、レセプションからタクシーが来たと連絡。てっきり友人が乗って迎えにきてくれたと思ったのですが、タクシーには誰も乗っていない。
でもホテルのレセプションから部屋に電話来たから間違いないはずだよなあ、と思いながらも少々不安だったので運転手に、「Who sent you here?」と聞いてみたら、billを見せてくれました。会社の名前だ。準備いいなあ。そのままひとりタクシーへ乗り込み発進。

30分ほど走ると、その友人から電話が。携帯をタクシーの運転手にわたしてくれと言うのでその通りにしました。
運転手はしばらくタミル語でやりとりをしてから、またタクシーを走らせ、とある辺鄙な場所で停車。
運転手は「ここだ」といいます。どうやら運転手はほとんど英語が分からないらしく、会話もなく静かな時間が続きました。
チェンナイも郊外に来るとこんなに静かになるものなんだなあ。
しばらくすると友人がバイクでやってきて、そのまま先導され、とある一軒家へ。
それが友人とルームメイトが暮らす家だと理解するのに、しばらくかかりました。

昨年会った顔が何人か待っていました。
昨年チェンナイへ来たときには、彼らは素敵な屋外レストランを予約しておいてくれて、忘れられない思い出を残してくれたのです。

――そのときも、どこへ向かっているのかよく分からないままに連れて行かれたなあ、と思い返す。
タクシーを降りて狭い垣根を抜けると、そこにはよく手入れされた芝生とマンゴーの木と色とりどりの花に囲まれた素敵な庭がありました。小路を歩いていくと、向こうから花束を持った人(男性w)がやってきて、「Welcome to India!」といってその花束をこちらへ差し向けます。そこでなぜか自分は、花の押し売りかと思って「これは受け取ってはいけない」なんて思ってしまったのですが、すると彼は「Don't worry, I am friend of xxxx(友人の名前)」といって、握手を求めてきたのです。
花束を受け取ると奥にはすっかり準備されたランチのテーブルが。自然に囲まれて素敵な食事をとりました。
いや、感動しましたよ。俺が女だったらクラっときたかもしれないなぁ――

話は逸れますが、インドの人たちってスキンシップの感覚が日本人とちょっと違うなあ、といつも思います。
日本にインド人のエンジニアを迎えて、東京を案内したとき、男同士で手をつないでお台場を歩いたことがあります(笑)
日本でやると、とても目立ちます……。
今回お邪魔したお家でも、ルームメイト(男)同士が、ひざまくらしてTV見てたりするんですよ。
見てるほうが照れくさいと思う反面、そんな打ち解けた仲間のいる彼らがちょっとうらやましいとも思いました。
ほとんどのルームメイトが、同郷の仲間だそうです。

今回は、彼らの家で昼食をご馳走になりました。毎週日曜にはチキンを食べるそうです。ベジの人以外は。
おいしかった。丸焼きの姿で出てきた小さな鳥にはちょっと参りましたが、平らげました。
白身魚もよかったです。

しばらくゆっくりしたあと、映画館へ。去年も行った場所。
去年はラジニカント(タミル映画のスーパースター、ムトゥにも主人公として出ていた人ですからご存知の方も多いと思います)のチャンドラムキという映画を見たのですが、今回は新人俳優二人が主人公のPATTIYALというアクションムービーを見てきました。

インドの映画は長いです。3時間が標準で、なぜか間に休憩があります(笑)

今回の映画、タミル語は相変わらず意味不明だったけど、ストーリーはほとんど理解できました。
アクション映画でしたが、せつなさとやるせなさの残る話でした。思わず涙ぐんでしまいました。
ちなみに自分は、映画のオープニングの音楽だけで涙することができる、涙腺弱いタイプです(笑)
ところで、インド映画のバイオレンスシーンは過激ですね。殴るときも徹底的に殴るし、血しぶきもたくさん。

映画のあと、「映画の主人公はガールフレンドがいるけど、実際はどうなんだ」と聞いてみたら、「そうだな、ここではフィフティフィフティだよ」とのこと。「みんなはガールフレンドいるの?」と聞いたら、そっけないNOの返事が。うーん、本音が聞いてみたい。

再び友人宅に戻り、ティータイム。マサラティーのチャイをいただきました。チャイ最高。大好き。
チェンナイはコーヒーもうまいですが、やっぱりチャイですね。スパイスのきいたおいしいチャイでした。
帰国前においしいチャイをまた飲みたいと思ってたので、大満足です。

庭でタバコをふかしながら、しばし談笑。チェンナイのダウンタウンにはない、ゆっくりとした時間の流れ。ベンガル海から吹く風がさわやかな木々の香りを運んでくれ、空は突き抜けるように青い。道を行く黒山羊がとてもかわいい。
日本のこと、インドのこと、たくさん話しました。
仕事モードでは話せないようなことも、たくさん。貴重な時間でした。
こういうとき、英語で話したいことが話せて本当によかったと思います。
数年前は、ちょっと複雑で高度な話(政治とか歴史とか文化とか科学とか)になると、言いたいことの何割かをガマンして黙っていることが多かったのですが、さぼりながらも少しずつ努力していたかいがあって、気持ちよく言いたいことを伝えられて嬉しかったです。
また、彼らのまっずぐな心と対等でいられるよう努力していなければならない日本という国について、深く考えさせられました。

やがて空は青紫色に染まり、一日の終わりが近づきます。
そろそろおいとましたほうがいいかな?と思っていたら、夕飯を一緒に食べることにしてあるから、食べていけと。
甘えさせてもらいました。

バンガロールに帰っていく仲間のひとりと一緒にタクシーに乗って、ホテルに帰りました。
(ちなみに9時半の電車に乗って、バンガロールにつくのは朝の5時半。それでも彼は隔週でチェンナイに帰省しているそうです)

明日からまた始まる忙しい日々の糧になる、素晴らしい一日でした。
みんなありがとう。

コメント

  1. micko より:

    こんにちは。
    先日は咲蘭のHPへの書き込みありがとうございます。
    咲蘭の具合が悪くて書き込みが遅くなりましたが、Blog覗かせていただいてます。
    インドは私にとって未知の世界なので、楽しみに拝見しています。
    そして、考えさせられることもしばしば。
    帰国が延びたようで色々大変なことも多いと思いますが、貴重な生活堪能してきて下さい。
    帰ってきたら、お話たくさん聞かせてくださいね。

  2. uzra より:

    お、メッセージありがとう。
    咲蘭ちゃんの具合はよくなったのかな?
    帰国したら、またみんなで食事でもしたいですね。
    テルにもよろしく。