Traffic in human beings

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先日、新聞の一面を飾っていたショッキングな写真。

子供たちが手に、自分の値段を書いた紙を持って路傍に立っているのです。

"Please buy me, Rs. 3000" (私を買ってください。3000ルピー(日本円にして9000円くらい))
"Please tell the price." (価格を提示してください)

Webで人身売買について検索してみると、多種多様な記事に出会う。

戦争に駆り出され、戦闘に従事させられる子供。
マフィアに売られ、文明国へ売春しに送られる子供。
親の借金のかたにその身を奪われ、二度と親に会うことができない子供。

私たちが平和に暮らしている間にも、世界のどこかでは唇をかんで見知らぬ大人に体を預ける子供がいるのです。
私たちがおいしいものを食べているときにも、世界のどこかでは機関銃の音が鳴り響く廃墟の中、砲弾を抱えて歩く子供がいるのです。
認知されないばかりに保護を受けることができない子供が、この世に何人いるでしょうか。
ユニセフのサイトを見てみてください。

せつなくなりませんか。
私は子供がいないので、子供を持つ親の気持ちを正確に理解することはできません。
でも、自分が子供だったことはあります。

いつ終わるのでしょう。
子供が大人よりも先に死ぬ社会。
ここは地獄でしょうか。

大人の自己主張。
利己主義。

ところで、日本の子供たちは本当に幸せなのでしょうか、という疑問があります。
物質的に満たされていれば、子供たちは幸せと言えるのでしょうか。

私は、ひょんないきさつから、「夜回り先生」として最近は有名人となった水谷修先生の活動と少しだけ関わりを持ったことがあります。
悩み、傷つき、生と死の間を危うく揺れている子供たちが、日本にもたくさんいます。
でも結局、半端な気持ちでは子供たちを救うことはできないと痛感しました。
子供たちと真面目に向かい合うということは、自分自身との闘いでもあるということです。
本当の親でさえ大変なことを、他人がやるには、本当になんと言うか、命の限りのエネルギーが必要です。
私は、その活動を今はしていません。たぶん独身ならもっと深くその世界に足を突っ込んでいたのでしょう。
自分の家庭を優先しました。
本気でやるには、家庭崩壊も気にしている余裕がないものだということを知りました。
またいつか、関わるときがくるかもしれませんが、残念ながら今ではないと思いました。

子供たちはいつでも犠牲者になります。
それを強く意識して、大人たちは行動する必要があると思いませんか。

冒頭に書いた、写真の子供たち。
彼ら/彼女らが持つ紙に書いたメッセージは、その親たちによって書かれたものです。
なんてひどい、と思いますか。
あなたは、子供にひどいことをしていないと自信をもって言えますか。

子供は、地球全体にとって財産です。
将来を担う大事な種です。
そして何より、その純真さ、無垢さが何よりも美しい生き物です。
疑うことを知らない子供たちに、疑うことを教えているのは一体誰でしょう。
私たちが育ててきたゆがんだ世界に、自分たちの子供を順応させようとしていませんか。

潔く、子供たちに世界を明け渡す。
それができたら、世の中が抱えている問題の多くはおのずと消え去っていくのではないかと思います。

子供を信じましょう。
子供を育てられるということが、どんなに神聖なことであるか、意識してみましょう。
親は、押し付けてはいけない。
世の中の子供たちのうちのひとりを、保護し、育てるという権利を授かったのです。
責任をもって、素敵な大人になる道しるべになってあげましょう。
もしそうなれないのなら、子供を持つべきではない。
子供を育てるということは、SEXとは何も関係がありません。
できたから生む?生まれてきた子が自分に似ているから嬉しい?
せっかく生まれてきたからには、他人の子供より幸せになってほしい?
あわよくば、自分の老後も世話してもらいたい?
全部、押し付けです。大人の勝手な考えです。
ほうっておけば、子供は幸せに暮らせるのです。
大人の無用な押し付けが、どんな悪影響を子供に与えていることか。
あなたは、子供に何かを教えられるほど、本当に素晴らしい経験を積んできた人間なのですか。
そんな人間、いないです。

子供たちの声をきいてあげてください。
悲痛な声ですか?幸せそうな声ですか?
きこえていますか?届いていますか?

人身を保護するために、法律が必要な悲しい世の中です。

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