Eメールの功罪

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今や職場でもプライベートでも、メールは欠かすことのできない道具ですが、皆さんは毎日送られてくる数多くのメールをどのように処理していますか?

今回は、ビジネスにおけるメールの使い方について書きます。

ここ1年くらいの間に、僕の職場を取り巻くメールの環境が著しく変化してきました。もともと人数の少ないベンチャー企業だったので、メールの使い方に関して大きな問題になったことはあまりなかったのですが、社員数も増えてきて、毎日受け取るメールの数がどんどん増えています。中には、メールで不毛なやり取りが続いてとても長いスレッドになっているトピックもあり、うんざりします。メールにうんざりしはじめると危険です。うんざりするようなメールは誰も読みたくないので、そのまま放置されるかゴミ箱行きになるので、大切な内容を見落とされる可能性があるからです。そろそろ対処が必要だな、と感じています。

常々、メールの使い方に関しては疑問というか、納得できないものを感じていました。

メールは便利です。相手の都合や時間など気にせずに送りつけるだけでいいわけですから。

ビジネスメールには何か勘違いした暗黙のルールというものが出来上がっている気がしています。例えば、返信する際には相手のメールの本文を全文引用します。これは従来のネチケットに反する行為ですが、なぜこのようなことが行われるのでしょうか。理由は、内容証明のためです。過去のやり取りを明確にすることと、相手が言ったことを間違いなく記録していくためだと人は言います。しかしよく考えてみてください。そんなものは書き換え可能なのです。結局自己満足に過ぎないのです。過去の経緯を見たければ、関連メールを識別するために便利なメールヘッダがきちんとついていますから、それを活用すべきです。そして、メールというものは到達性が保証されていない不安定なツールであるということを忘れてはいけないと思います。IT業界に居ながらそんなことも知らない人がいるというのが驚きなのですが。大切なことがあれば、直接または電話で話すべきでしょう。

全文引用がなぜネチケットに反するかという点において勘違いなさっている方が多いようなので、ここで説明しておきます。多くの人は「昔はナローバンドや従量課金ででインターネット接続していた人が多かったから、なるべくメールのデータサイズを少なくするために全文引用はルール違反とした」と思っている方が多いようですが、それは半分当たっていますが本質ではありません。

全文引用には、意味が無いのです。受信者に対して、「必要は情報は全部入っているから、ここから広いなさい」と強制する、送信側の怠慢です。

引用というものは効果的になされるべきだと思います。話の前後が理解できる最低限の分を抜粋して、引用すべきです。論文を書くのに、引用元の文章を章ごと全部入れたりしませんよね。同じことです。

必要最低限の引用をするためにはセンスと学習も必要だと思いますが、努力しなければいつまでも拙劣なメールを発信しつづけることになると思います。

Web 2.0の技術のひとつと認識されている、Webのフィード機能がありますが、これは上記のようなメールの弱点から生まれたものだと思います。メールマガジンやメーリングリストを含め、メールというものは、相手がその情報をフィルタすることなく全て強制的に送りつけられます。フィードの場合、情報を必要とする側が、必要な情報だけ受け取ることができるわけです。

とにかく、現在のビジネスシーンにおいて(僕の会社だけという部分もあるでしょうが)メールというものが重要視されすぎているというか、使い方を改善すべきだと思っています。

前置きが長くなりましたが、本題に入ります。

HBS(Harvard Business School)のアーカイブから以下の記事を見つけました。全文を読むには、下のリンクをクリックしてください。

A great productivity enhancer? Ha! E-mail can be a tremendous waste of time unless you know how to tame the savage beast, says Stever Robbins.

Being at or near the the top of your organization, everyone wants a piece of you. So they send you e-mail. It makes you feel important. Don't you love it? Really? Then, please take some of mine! Over 100 real e-mails come in each day. At three minutes apiece, it will take five hours just to read and respond. Let's not even think about the messages that take six minutes of work to deal with. Shudder. I'm buried in e-mail and chances are, you're not far behind. For whatever reason, everyone feels compelled to keep you "in the loop."Fortunately, being buried alive under electronic missives forced me to develop coping strategies. Let me share some of the nonobvious ones with you. Together, maybe we can start a revolution.

Tips for Mastering E-mail Overload - HBS Working Knowledge

この記事は、まさに僕が言いたいことの的を得ており、よくまとめられている記事です。ぜひ読んでみてほしいと思います。

英語がダメな方のために、時間のあるときに翻訳してみようと思っています。そうする価値のある記事だと思いました。

要するに、メールは受け取る側がそれを読むのに多くの負担がかかるから、それを少しでも軽減するためにいくつかのアイディアを実践しましょうという内容です。

メールは、自分の責任を相手に押し付けるツールでもなければ、自分勝手に納得した内容を相手に送りつけるツールでもありません。

メールの使い方、考え直してみませんか。

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