まだ幼稚園に入る前、祖父が僕を肩車して渋谷の映画館に連れていってくれた。
時代的にみておそらく「Snoopy, Come Home!(邦題:スヌーピーの大冒険」だったのだろうと思う。
これが僕の、初めてのPEANUTSとの出会い。
映画は音声が英語で日本語字幕。祖父は「しまった」という顔をしていたが、僕はその映画を楽しんだ。
見たこともない世界が広がっていた。
僕が最初に出会ったマンガは、祖父が持っていた「のらくろ」。
僕が最初に出会ったアニメは、「ドラえもん」。
僕が最初に出会った映画は、「ピーナッツ」。
PEANUTSは、謎だらけだった。
数多く出てくる個性的なキャラクターたちとそれぞれの関係性。
何も知らなかった僕は好奇心に駆られた。
だんだんと理解できてきたPEANUTSに夢中になったのは、それから数年経ってから。
ゆるい日常生活の中で、とても確かなことをリアルに教えてくれる。
でもなんだか、僕が知っている身の回りの世界と違う。ドラえもんの世界と比べたら共通点もあるけれど、なにか違う。
僕はPEANUTSの世界にはまり込み、さまざまなことを学んだ。
なかでもやっぱり最高に好きなのはスヌーピー。彼は僕にとってヒーローだ。
とってもクールで、自立していて、好奇心旺盛で、自分の世界が無限に広がっている。
僕はチャーリーブラウンに自分を重ね合わせながら、いつかスヌーピーみたいになりたいって思っていた。
PEANUTSに登場する面々は、すべて魅力的だ。
それぞれに特技もあるし弱みもある。それがとてもリアルだけど、ポップなのだ。
僕は原作者シュルツ氏に興味を持った。
こんなに素晴らしい作品を作るのは、一体どんな大人なんだろうって。
期待通り、素晴らしい人だということが、断片的に得られる彼の人物像から見えてくる。
僕はPEANUTSを好きになっていくばかりだった。
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