オンライン飲み会というものには全く縁がなかったのだが、ここ1週間で2回も経験した。
ひとつは氣の置けない20年来の友人たちと3人で。オンラインで会話っていうのはどうしても割り込むタイミングが測りにくい。そこは少々めんどくさいけど、ブレインストーミング的な意味でも得るものは大きかったし、久しぶりに友人たちの近況を知ることができて、楽しかった。
もうひとつは、やはり20年来の関係で5人で。
僕以外は全員、日本で知らぬ人はいないような大企業で働いている。(かつて僕もその1人だったが)
話していて感じたのは、いま最先端で何が起きているのかを知る機会だったことがひとつ。起業活動に身を置くと、会社員時代には当たり前のように入ってきた業界の情報を得ることが困難になる。今回のように友人・知人を介して「いま何が起きているのか」を知るのはとても役立つし、新しい技術のことも知ることができるのが有益だ。皆さん、零細企業には手も足も出ないような大きな仕事に携わっていらっしゃいますが、技術的な情熱はさすが消えていない。いちばん大切なこと、好きなことや好奇心を徹底的に突き詰めることは、技術者として欠かせないキーワードだ。わたしたちが20年前に共に働いていた企業には、この土壌があったので、わたしたちはその前提についてわざわざ語る必要もない。
僕がやっていることがどれだけ異質なことであるのかも、強く感じた。異質ではあるが、単純に前例がないというだけで、論理的にも人道的にも好奇心的にも、まっすぐ芯をとらえているという認識がある。
わたしやオンライン飲み会のメンバーである旧い友人たちは世の中の軽薄さにフォーカスした活動に魅力を感じないのだが、それは「一度(ないし複数回)経験済みだから」という事実は大きいと思う。
大企業だろうが中小企業だろうが個人事業主だろうが、やりたいことからブレてしまったら、そこで終わり。大きな組織になればなるほど折れる人が増える。でも自分は折れない。
ブロックチェーン技術、Plateau、NFP、その他。企業の最前線にいると、新しい技術へのチャレンジは勝手にやってくる。それはとても優れた環境であると同時に、本当に必要な技術とは何であるかを考える機会を奪いかねないリスクと隣合わせでもある。
不安がないか? ないわけがない。僕は世の中の情報産業の最先端技術に携われるという大きな機会を棒に振ってまで、何をやろうとしているのか。本当に自分の選択が正しいのか。また最先端の組織に戻って、より大きな規模の大きなプロジェクトを通じて顧客に最先端の価値を与えていく場でやっていく選択をとることもできる。でも、表面的にはそうなのだが、実際にやってみると、様々な矛盾に葛藤してしまうのだ。僕は何十年もかけてその葛藤を解消する方法は企業勤めを継続することによって解消することは不可能であると結論した。いまでもその結論が正しかったのかどうか、こうして再検証し続けながら、前に進む。
信じるということがどれほどの力を持っているのか、僕は知っているはずだ。それを信じずして、いったい何を成せるというのか。
結果が見えていない今がきついのは当たり前のこと。それよりも、日々、僕は数多くの心優しい友人たちや家族たちに囲まれて幸せを感じて生きているというところにこそフォーカスする。いまはそれしか、拠り所がない。否、たとえ成功のレールに乗っていると判断される日が来たとしても、同じ心持ちをなくしてしまったら、その時点で負けだ。
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