原田哲也さんのこの記事を見て強く共感したのでメモ。
その後、ヤマハのファクトリーライダーになってからは街乗りは車になりましたが、バイクを好きにさせてくれた大きなきっかけが2ストエンジンだったことは確か。車体はひたすら軽く、エンジン特性はとにかく刺激的で、ちょっとスリリングで、本当に面白かったんです。
当時はとんでもなく速いと思っていましたが、今のスーパースポーツモデルとはまったく比較になりません。速いように感じさせるフィーリングだっただけで、実際の速度は大したことがありませんでした(笑)。逆に言えば、今のスーパースポーツモデルは速さを感じさせないまま、とんでもない速度域にライダーを連れて行ってしまう。僕はそのことの方が怖いんじゃないかと思っています。2ストエンジンのバイクは、スピードがそれほど出ていなくても「とんでもない乗り物」というオーラがあって、その分、乗る側は十分に注意をしていたと思います。エンジン特性はピーキーで気難しいから、乗りこなすにはかなりのテクニックも必要でした。乗り手を選ぶ乗り物だったんですね。今の4ストスーパースポーツモデルは、基本的なエンジン特性から電子制御まで本当によくできていて、誰でもとんでもないスピードが出せてしまいます。
でも僕のように50代ともなれば、若い頃に比べると反射神経も視力も体力もすっかり衰えており(笑)、とてもではありませんがそのスピードには対処できません。そこで何が必要かって、テクニックも大事ですが、何より重要なのは「諦め」だと思っています。いつまでも若いつもりで飛ばそうとすると、バイクの性能がよくなっている分、自分では対処できない速度域に達してしまう。だから「スピードはスッパリと諦める」という自制心を持つことが、すごく大切なんじゃないか、と。
そうなんだよ。高速道路や峠みたいな公道でぶっ飛ばして俺がナンバーワンだというのは面白くないんだ。僕も峠とかぶっ飛ばしたことあるけど、だれかと競争したかったわけじゃない。
2ストエンジンの面白さを知ったのは、僕の最初のバイク、YAMAHAのTZR50だ。思えば中免がなくてよかったと思う。当時の自分が250ccの2スト乗ったら、きっと今頃とっくに死んでただろうな。とはいえ50ccだからといって侮ることはできない。リミッターカットするだけで100km/h出る。当然50ccは高速道路になんて乗れないし、法定速度は30km/hまで。ボアアップして排気量を増やし、原付二種に変更する手もある。しかしそんなことしなくても実用範囲の速度帯では十分に速かったです。幹線道路で煽られない。
低速度域でも十分にアドレナリンが出て楽しめるって、いいと思う。
50ccのモンキーはTZR50と比べ物にならないくらい遅いけど、運転してて楽しい。地面が近いからなのだろうか。
それからエリーゼ。この車は1800ccしかなくて小さい。でもスーパースポーツのように「踏みたい衝動を抑えながら運転する」なんてことはない。一般道で常識的な速度で走ってても、めちゃめちゃ楽しい。
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