波長の同期

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映画「E.T.」で、エリオット少年とETが魂でつながっていたことを、時折思い出す。

E.T.は地球外生命体なので、地球に一人残されて生きていくには誰かの助けが必要でした。

そこで、自分との交流を望んでいる純粋な子供のエリオットをパートナーに選んだのでしょう。

E.T.が瀕死の状態になった時、エリオットも同様に体調を崩し命の危険にさらされます。

救急治療室で「脳波が同調してる」と医療者が言っていたことからこの時はまだ二人はシンクロしていたと思われます。

しかし、このままでは自分が死んだときエリオットも命を落としてしまう。

瀕死の状況でそう考えたE.T.は、エリオットとのシンクロを解除しエリオットを救ったのです。

にゃーちゃんとのシンクロが途絶えたことを感じる。認めたくはなかったけど、事実を無視していたら後悔するから。

いまなお少し残っているように思えるシンクロの感覚は、にゃーちゃんがまだ生きられる可能性を最後まで否定したくない自分によって生み出された幻かもしれない。つまり、過去のシンクロの記憶に縋ろうとして、思い出しているだけかもしれないって思った。可能性はある。ただそこに佇むのみ。それを選択できるならしたい。でも本当に、それが互いにとって幸福なのであろうか。

僕が信じる宇宙観においては、死は老いた肉体を手放すためにあり、必然である。消耗した肉体はいつか手放さねばならない時がやってくる。それは同時に、(にゃーちゃんにとっても、僕にとっても、他すべての、にゃーちゃんに関わってきた存在にとっても)新しい一歩への扉でもあるのだ。

にゃーちゃんの一生を冒涜したくないから、受け入れる。

そしてこれは別れではない。そう、それは大事なことだ。錯覚に惑わされる必要はないのだ。

亡くすは無くすに非ず。

死のその瞬間まで、僕はにゃーちゃんに愛情を伝える。この世界にいるからこそできることは、スキンシップだ。それが、3次元的な肉体を構成して与えられていることによる恩恵のひとつであり、神に与えられた大きな大きなプレゼントなのだ。

映画「E.T.」で、エリオットとのシンクロが切れたあと、E.T.の生命活動は停止する。しかしその後、E.T.は復活する。そして仲間が宇宙船で迎えに来ていることを知り、エリオットと仲間たちは蘇ったE.T.を連れ出すことに成功。痛快なアクションを経てとうとう、迎えの宇宙船までE.T.を送り届けることに成功するのだ。

別れ際にE.T.とエリオットは次のようなやり取りをします。

E.T.はエリオットに「Come」一緒に行こうと言いますが、エリオットは「Stay」ここに残ると答えます。

E.T.はエリオットがノコギリの歯で指を切った時に言った言葉「Ouch(痛い)」といながら指を自分の胸から口元に、エリオットも同様に「Ouch」と返しました。

ふたりは別れの辛さをこの言葉でお互いに伝え合いました。

最後にE.T.の指先がエリオットの指の傷を治した時と同じように光り、その指をエリオットの眉間にもっていき、E.T.は「I’ll be right here. (いつもここにいるよ)」と言いました。

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