過疎化のススメ

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先日見た動画の中でイーロン・マスクが言った。

「実は人口が多すぎるなんて嘘です。ニューヨークからカリフォルニアに向かう飛行機からボールを落としても人間に当たるなんてことはないですよ」

世界中の富が極端に偏って分配されていることはご存知の方も多いだろう。イーロン・マスクは正しいのかもしれない。これもまた、世の中の常識と真逆の仮説を立てる、僕好みのアプローチだ。

イーロン・マスクは現在の地球規模に対して人口が多すぎるか否かについて言及したわけだが、僕は正解の出ないそのような命題を持つことに意味を感じることはあまりない。それは僕自身が現代資本主義社会のシステムを真っ当に活用して目的を達成する道筋を選択していないから順当なことである。

人口に関して言えば僕はもっとプラグマティックである。

  • 日本をはじめとする所謂先進諸国において人口は減少の一途を辿っており、根本的解決に至った事例は皆無
  • 世界全体では人口は増加している

僕を取り巻く環境について言えば、人口は急激に減少している。

ところで、人口が減ることは本当に良くないことなのだろうか?

これが僕がいま取り組んでいることに通ずる命題である。人口の増減は自然現象に近いマクロ的な話で、たかが国策程度で大きく変化させることが可能な問題とは思えない。我々がむしろ考えていくべきこと・考えたら有益であることは、人口の増減に対するゆとりを持たせた社会の構築であると思っている。

人口の増減に対するゆとりを持たせた社会とは何か。

東京のような人口過密地帯は世界中でごく限られた面積で起きている特殊事例だ。人口が多いからメディアが問題視しやすいし目につきやすいが、地球の多くの場所はイーロン・マスクの言うとおり、広大で人口がまばらである。

過疎地域において短期的に求められていることは、人口を増やす方法ではなく、人口が減少するなかでどのように我々の文明・文化・経済・生活を豊かにしていくかである。これは常識的な話では語れない。GDPや平均年収などでは明確に語れない内容だ。

わたしたちが生きていくうえで必要なことを洗い出し、優先順位をエゴにとらわれずに皆で洗い出していくこと。

ここ川根本町でいえば、人口5千人、人口3千人になったコミュニティが崩壊・消滅しない道筋を計画していくこと。あるいは、消滅しても問題のない道筋を探ること。価値観が猛スピードで変化しているいま、わたしたちの多くはカネよりも大事なことを具体的に認識しはじめている。

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