桐島、ITやめるってよ

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ちなみにタイトルの元ネタの小説は読んだことないし映画も観たことないのです。

「おまえたち人間には信じられないようなものを私は見てきた。オリオン座の近くで燃える宇宙戦艦。タンホイザー・ゲートの近くで暗闇に瞬くCビーム、そんな思い出も時間と共にやがて消える。雨の中の涙のように。死ぬ時が来た。」
(原文:I’ve seen things you people wouldn’t believe. Attack ships on fire off the shoulder of Orion. I watched C-beams glitter in the dark near the Tannhäuser Gate. All those moments will be lost in time, like tears in rain. Time to die.)

上記は映画「ブレードランナー」のクライマックスで、ネクサス6型のレプリカントであるロイが死の間際に言ったセリフです。

ふと思ったんですよ。「ITやめよう」ってね。

自分がいま持っている最強の武器を捨てる。なんかカッコいいし、そう思った瞬間、ワクワクが止まらないんです。

捨てるっていったって、好きでやってることへの好奇心はそう簡単に消えるわけがないのです。なにしろ僕は小学2年生のときに叔父の買ってきたNECのPC-8001の電源を入れたときにグリーンディスプレイで点滅するカーソルに魅入られて以来、筋金入りのコンピュータ好きです。

あれから50年近くの時が過ぎました。ずっとITをやってきたわけじゃありません。実に様々な仕事をしてきましたが、一番長く続いたのがITであることも確かです。そして今まで身につけてきた知識や経験は、「ITをやめた」と宣言したからといって消えて無くなるわけではないのです。

それから会社経営も続けるわけです。プレイングマネージャとして効果的に働ける規模を維持しながら、丸6年続いた会社です。こんなにおもしろい事はやめるつもりないし、会社なんてちょっと経営を間違えれば勝手に倒産するものですから、自ら畳む選択をする必要も感じません。

でもね、「ITをやめる」って思ったときのワクワク感の源泉ってなんだろうかと。それは、新しいことへのチャレンジを自分のなかでコミットしたときのワクワクなんじゃないかなって思いました。

ITはできるけど、IT屋ではないですよって言えること。それなりに詳しいし、アプリも設計・開発できますし、なんならコンサルティングから入れるし、インフラ構築できるし、セキュリティもわかります。AIやAGIについてもポリシーがあります。

でも僕、ITの人じゃないんですよねえ、って言いたい!

やってみたいこと、たくさんあるんですよ。

新しい世界に飛び込んで、初心から全力でやってみたい。

そう思ったら、保留されていた「やりたいことリスト」が次々と思い出されてきて、楽しくてしかたない。

それにね、ITなんて所詮ITなんです。情報技術だけで食べていこうなんてもうほら、時代遅れって感じもしてるんですよ。この感覚をわかってくれる人はいるのだろうか。

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