MORPGとP2P

ちゃぼさんの日記でHELLGATE:LONDONの日本語版の話題があがっていたのでちょっと調べてみたら、結構面白そうだ。MORPGといえば、いまだにこれを越えるゲームは無いと信じて疑わないゲーマーの多い（自分もそう）Diabloの存在を抜きには語れない。

HELLGATE:LONDONは、Diabloの開発元、BLIZZARD Entertaimentで当時DiabloやStarcraftの中心的開発メンバーだったBill RoperがCEOを勤める、fragship STUDIOSの作品。
それを知ってしまったので、ちょっとやりたい気持ちが強くなってきてる。しかし、欧米ではとっくの昔に販売されていたんだけど、見切り発進だったらしくバグが多くて、日本じゃこのまま出せないよっていうんで、もともと国内販売元になる予定だったバンダイナムコが匙を投げて、EAが国内ベンダーになったという経緯があるらしい。これはとても心配だｗ
しかしMMORPGではないから、シングルプレイでも遊べるし、MMORPGのように高性能なサーバを維持する必要も無く、ロビーサーバだけ提供し続けてくれればオンラインでも遊べるはずなので、SWGの二の舞はない、と思う。たぶんｗ

ところでMORPGって何？って人もいると思うので書いておくけど、単純に、複数のプレイヤーでネットを通じて一緒に遊べるRPGのことだ。RPGの説明は悪いけど割愛させてくださいｗ
MMORPGはウルティマオンラインをはじめとした、多人数参加型のゲームで、用意されたサーバにプレイヤーが接続して遊ぶケースが多い。っていうかほぼそういうシステムだ。そのサーバに仮想世界の情報が入っていて、自分のコンピュータにインストールするのは、その世界に接続して、情報を表示したり操作したりするソフトだ。接続して遊ぶためには毎月お金を払う必要がある（無料のMMORPGもあるけど、ここでは無視するｗ）。
MMORPGには寿命がある。提供元がサーバのサービスをやめたら、もう遊べなくなる。

それに対してMORPGは、単独でも遊べるパッケージがほとんどだ。そしてパッケージの売り上げがすべてのケースが多い。
というのは、ほとんどのMORPGではサーバ上にゲームデータを置かないからだ。
Nintendo DSなんかでWi-Fi通信機能を使って友達と一緒にゲームをやる感覚と同じ。なので、追加で接続料金がとられるケースはほとんどない。
ゲームさえ手に入れれば追加の料金なしで楽しめる。
（マルチプレイ可能なFPSも、ほとんどこの形態）
DSのWi-Fi通信同様、多くのPC用MORPGは、相手が同じLANにいれば、ロビーサーバ不要でそのまま接続して遊べる。これもDiabloの頃から変わらない。
では、インターネットの向こう側にいる友達と遊びたいときは？
ロビーサーバが必要になるのだ。
つまり、接続する相手を探すために一時的に集まる場所。それがロビーサーバだ。
DSの場合は、任天堂が提供するWi-Fiコネクションのサーバに接続すればいいわけで、任天堂がいる限りゲームのタイトルにかかわらず提供されるだろうからあんまり心配はない。Xbox 360も同様で、どこが開発したゲームもオンラインサーバはすべてマイクロソフトが提供している。PS3はどうかというと、ゲームソフトの提供元がサーバも提供するシステムなので、ゲームが過疎化したり古くなったりすると、オンラインで遊べなくなる可能性が高い。PC用のゲームもPS3と同じだ。
PSPはちょっと特殊で、本来インターネット越しのネットワーク接続機能がない。これを補うのがXlink Kaiというもので、これについては機会があったら書いてみよう。まあこいつがある限り、PSPでオンラインには困らない。

ちなみにDiabloが発売されてから11年も経つが、Diablo用のロビーサーバ（Battle.net）は、いまでも稼動していて、無料で利用できるし、パッチも自動でダウンロードできる。

最近P2P技術がもてはやされているけど、P2P（Peer to Peer）とは一体何か。サーバを介せず、クライアント同士でデータの交換ができる技術のことだ。その技術を違法なファイル交換ばっかりじゃなくて、MORPGでロビーサーバを不要にするとか、そういう建設的な利用をどんどん進めて欲しいものだ。実際そういうプロジェクトはあるんだけどね。つまり、ゲームソフトにあらかじめ組み込んだP2P機能でロビー情報を共有すれば、どっかにサーバを立てて置いておかなくてもいいってわけ。

まあでも、HELLGATE:LONDONの公式サイトを見ると「一般メンバー」と「エリートメンバー」なんて差別化してて、追加コンテンツの配信とか予定しているみたいだから、P2Pになっちゃうとそういう儲けがとれないっていう問題もあるのかな。