この業界にしばらく居ればすぐにわかることですが、同じものを違う言い方で表現し、あたかも新しいものを作り出したように見せることがあります。
マーケティング的な理由などで意図されている場合もありますし、そうでない場合もあります。
しかし大抵の場合、まず言葉の定義が曖昧なままで一人歩きします。
SaaSとは、ASPの焼き直しです。
一部の方々がASPとSaaSは違うとか、違いの分からない奴はアホだカスだ勉強不足だとか怒鳴り散らしているように感じますが、同じです。違いはありません。本当にありがとうございました。
SaaSという言葉自体、始めに聞いたときに「はぁ?」という印象しか抱けませんでした。しかもその分野でかなりエッジなところでサービスを開発していた立場だったので、ASPが頭ごなしに否定され、SaaSという言葉とともに、「よくわかってない」人々がこの世界にやってきて、「またか」と思いました。
言葉が焼き直しされるタイミングは、その技術の応用ビジネスが広がったときだと思います。つまり、あまりアンテナの高くない人々にもその技術の情報がキャッチされて、金を動かすアイテムとして焼き直しが遂行されるのです。
彼らにとって要素技術などどうでもいい話です。売れれば、ブームがくれば、なんだっていいんです。
もう、いいかげんこんなビジネスモデルに執着するのはやめませんか。
では実際にこのような状況の一翼を担わずに本物と偽物の言葉を見分けられるようになるためにはどうしたらいいのでしょうか。
学ぶしかありません。努力してください。
そんなに難しいことではありません。
技術の概要を把握しましょう。コンピュータがどうして動くのか、おおまかに理解しましょう。インターネットとは何なのか、構造を知りましょう。そして、いままでの歴史を知るべきでしょう。
コンピュータの歴史なんてほんとに短いもんです。
それくらい頭に入らないようじゃろくな仕事もできないでしょう。
SaaSが世の中に与えるインパクトを考えるとき、UNIXの登場、ダウンサイジングの流行、PCサーバの出現などの過去の動向は無視できないと思います。
どのプロセッサをどのようにシェアして使うのか、これに尽きる話です。
シングルタスクでネットワーク機能のないシンプルなスタンドアロンコンピュータから、メインフレームをベースにしたTSSの技術、PC端末、GUI端末、それからマルチタスク、仮想マルチタスク、PCサーバ、インターネット、ディレクトリサービス、シンクライアント、リモートデスクトップ、仮想OS、Web 2.0、ASPときて、SaaSです。
そこんとこ、よろしく(死語)
AaaS, BaaS, …, XaaSと、いろいろ広がってるらしい。もはや新型インフル並み。
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