縁あって、下北沢で演劇を観てきました。
場所は、下北沢が「演劇の街」と呼ばれる起源となった老舗の劇場「ザ・スズナリ」。
演目は劇団離風霊船(リブレセン)の「STATION」という作品。
最近元気になってきた妻にとって、ちょっとした気分転換と、元気付けになればいいと期待して出かけたのですが……。
――結果、大失敗でした……。
誤解なきよう書いておきますが、演劇は期待を遥かに超えたものでした。
恥ずかしながらこの年になるまで演劇というものを観たことがなく、初めての経験だったこともあり、小さな劇場で、息遣いまで聞こえてきそうなほど近くで繰り広げられるエネルギーに満ちた演技は、映画館やブラウン管越しとはまったく比較にならない凄まじい迫力。そして役者さんたちの声量!
命を懸けた演技に、ときには笑い、ときには涙し、心震わせる1時間40分でした。
もっと早く、こういう世界を知ってたらよかった。
そう心から思うくらい、素敵な内容だったのです。
しかし、
内容が、妻によくなかった。
以下ネタバレ入ります。
このSTATIONという作品、「駅」にまつわる人間模様を描いたストーリーであるという事以外は、何も情報のない状態で観ました。
実は、中央線のとある駅で、自殺をした人たちと、残された家族たちが中心となる話。
そして、時事となりますが、阪神・淡路大震災や東日本大震災まで絡んでくる。
決して、暗い話ではない。暗い面ももちろん見せるけれど、それを絶妙な脚本で明るくみせながら、感動のラストまで持ち込むストーリー展開には舌を巻きました。
知ってる人は知ってると思いますが、我が家には、ちょっとこのような内容を笑えない理由があります。ふたつみっつ。
あれから何年も経つんですけどね。
劇場に入って舞台のセットを見て、妻の様子がちょっとおかしくなってきた。
そして劇が始まり、みんなが笑うシーンで、ふと横を見たら、ひとりで泣いてる。
1時間40分、本当に辛かったのでしょう。
終わると同時に、外に駆け出すように出て行く妻。
出演者のひとりが知り合いなので挨拶したかったけど、そんな余裕なし。
妻を追うと、劇場の前で過呼吸になってしまいました。
救急車を呼ぼうかどうしようか迷いつつ、そういえば近くに交番があったよな、なんて考えながら、背中をさすってやるくらいしかできない。こういうときは紙袋とかビニール袋があるといいんだけど、持ってない。
でも妻の様子が落ち着いてきて、ようやく歩けるようになってきました。
気分転換が必要だなと思い、駅のそばにあるヴィレヴァンに行くか?と聞くと、行くというのでそこで商品を眺めながら少しゆっくりしました。
それから帰路なんですが、もちろん電車に乗らなければ帰れない。
しかしいま、駅にまつわる演劇を観てしまったものだから、大変です。
地元までの道程が、おそろしく長く感じられました。
ランニングを始めて以来、滅多に肩こりしない自分ですが、途中で肩が辛くて辛くて、電車の席に座り続けていられなくなって、途中で降りてしまったり。
地元に着いて、そのまま帰るか、行きつけのバー、kavaに行くかどうかを迷い、このまま帰っても落ち込んじゃうだけだからと思って行くことにしました。
普段と様子の違う僕達をすぐに察してくれたお店のふたり。ありがとうございます。
地元に帰ってきて、ちょっと安心したのか、妻もぽつりぽつりと話をするように。
それでもたまに、思い出したように涙してる。
こういうとき、どうしたらいいのかわからない。
でもその雰囲気を打ち破ってくれたのは、偶然となりで飲んでいた常連さんのHさんでした。
Hさんのお名前は何度も耳にしていたし、一度お会いしたいと思っていたのですが、たまたま横で飲んでいて、しかもあちらも「もしかして」と思っていらっしゃったそうです。
一緒にお話させていただいて、すっかり(?)調子を取り戻した妻と、それを見てほっとする自分。
また、kavaに助けられました。
今度また、演劇を観に行こう。
コメント
舞台って良いですよね(^^)
自分の幼なじみも舞台役者やってるので、極稀に見に行くのですw
良さそうなのやってたら今度チケット送りつけますねwww
下北沢は俺の弟がいてあるお店をやってる。
偶然会ってたりして。w
@かいちょ
舞台こんど一緒にいきましょう!
@Chabo
えっ、そうだったんだ。何屋さんだ!?
偶然すれ違ったりしてる可能性はあるかもねw