qube cafe world online

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いま僕のもとには大きく分けて2つのタイプのITエンジニア志願者が集まってきています。

  • タイプ1:日本を含むIT先進国出身
  • タイプ2:アフリカ諸国、東南アジア、南米などIT後進国出身

いままでのqube cafe onlineに集まってきてくれたのは、日本人ばかりでした。日本で、日本語でPoCしていたので当然です。

qube cafe onlineもqube cafe proも毎週Discordで開催中なのですが、残念なことに誰も来なくなりました。qube cafe onlineもproも、これまで約1年で提供してきたチャレンジ、セミナー、進路相談の量は膨大です。僕の手元には、寝る間を惜しんで作られた資料などがどっさりと残っています。

人が定着しない原因についてはずっと謎のままでしたが、悩んでいる間も様々な仮説を立てて検証してきました。

  • いまの生活に不満がないから途中でやめてしまう?
  • 本当はITエンジニアになりたいわけではなくて、収入を上げたいなど、別の理由がある?
  • やってみて、自分には無理だと決めつけてしまう?
  • もっと優しく教えてくれるプログラミングスクールや支援センターに流れてしまう?
  • (世の中を良くするためにITを使うのに)自分ごときには世の中を良くする力などないと思いこんでしまう?

上記の疑問の答えですが、「すべてYES」でした。それ以外にも様々なケースを見てきました。

ところで2年前にQuoraで受けた質問があります。

日本は良い国だと思います。なのにどうして、そこに住む人間は自らの命を絶つ割合が増えてしまっているのでしょうか?

それに対する僕の回答がこちらになります:

また、別の方(中国出身で日本に帰化した方の回答はこちらです:

こうした回答に対する反応を含め、さまざまな活動を通じて得たデータをみると、『日本で真の「問題解決者」を生むのは非常に困難である』というのが僕の出した結論でした。

それでも継続できた理由は、「来るものは拒まず、去るものは追わず」と決めていたことで責任の重圧から距離を置いておくことができたことと、「仕事ではなくライフワーク」と定義してきたことです。

さて、ここで冒頭に述べた「2つのタイプ」に話を戻します。

タイプ2はかなりの多様性をもったグループです。IT技術でひと山当てたい人、IT技術をつけて母国の未来に貢献したい人、IT技術で詐欺の腕を上げたい人、有象無象が集まっています。

タイプ2の多くは正規の教育すら受けていない人がたくさんいます。それでも現代、アフリカでもどこかの小国でも、パソコンとインターネットは手に入る時代です。

10年以上前、親友のひとりが青年海外協力隊の一員としてアフリカの某国に赴任しました。彼女の役割はIT教育でした。当時やり取りした手紙やメールがまだ残っています。彼女から伝えられてくる現地の情報によれば、ハードディスクが当たり前の時代において現地のパソコンはまだフロッピーディスク。インターネットも浸透していませんでした。

それからまた時間が経ち、僕は世界180ヶ国にオフィスのある世界最大のモバイル通信機器メーカーで働いていました。そこでは世界中で起きているさまざまなプロジェクトの情報に触れることができました。また、世界中を巡り歩いているエンジニアと知り合う機会も多く、世界のIT事情がリアルに感じられる職場でした。その会社のミッションは「世界中の人々にコミュニケーションの道具を与える」でした。実際にそれは実現していったのです。先進国に最新技術を提供するだけでなく、お金のない技術発展途上国に対しても、できるだけ低コストで同じ技術を供与できるために研究・開発が重ねられてきました。そして4Gネットワークの時代になりそれは現実のものになり、5Gネットワークの時代はそれをさらに加速しています。

5Gネットワークの数ある新技術のうち多くは先進国では価値として認められません。しかし途上国においては、それらは高い価値のあるものなのです。


こうした経済的に遅れをとっている国々にいる国民はいま一体どういう状況なのかというと、先述したとおり「コンピュータ」と「ネットワーク」という武器を手にすることができているのです。

しかしそれらの武器をどう使いこなしたらいいのか、教えてくれる人が圧倒的に足りません。

いま目の前にいる「タイプ2」の人たちとの交流のきっかけを経て、決断しました。

  • qube cafe online / qube cafe pro の活動の場を世界に広げる
  • 世界中の人を対象にする上で、コミュニケーションの主言語を英語に切り替える
  • 副言語としてスペイン語・中国語・日本語にまず対応するが、言語問題は自動翻訳やAIが解決しつつある

タイプ2の方々は目的こそバラバラですが、IT技術習得に対する熱量が半端ではありません。僕は日本で糠に釘を打つような活動に精神を消耗させることだけでは続かないと思い、この人たちに技術を供与しようと決めました。

それで僕がとるべき行動は、簡単だったりします。

昔のように現地に行かなければ立ち上がらないなんてことはないのです。インターネットに国境はないので、いますぐにでも始められます。

僕は英語・スペイン語・中国語・日本語のサイトを立ち上げて、あとはコミュニティに対して共通のコミュニケーションツール(Discordなど)を案内して、PR活動するだけです。

プログラミングを学んでいる初級者たちに対して、より高度なIT技術、プロジェクトの立ち上げ方、動かし方も教えます。ITに限定せず、問題解決の手法を教えます。自由を獲得するための技を提供していくのです。qube cafe online / pro でやりたかったことを英語で、対象を変えてやるだけです。

思いついた瞬間から、「これだ」という感覚が身体中を駆け巡りました。

qube cafe world onlineのはじまり。

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