もうひとつの家族

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話のはじまりは、先日、MySpace.comに登録したところから。
MySpaceは米国最大のSNSで、つまりアメリカ版mixiみたいなもの。
最近日本語化もされたみたいで、日本人ユーザも増えているらしい。

image なんてことは、どうでもよかった。
正直SNSなんてmixiだけでお腹一杯。
ただ、ある目的があって、そのためだけに登録した。

image 実は10年以上前から、探している人たちがいた。

僕は高校の頃、交換留学生としてアメリカで暮らしていた。
そのときお世話になった家族、ホストファミリーだ。
両親と、二人の息子。
(娘もいたが、家庭の事情で一緒に暮らしていなかった)
上の息子は自分と同い年で、下の息子は5つ下。心から兄弟と呼べる存在だったし、彼らの両親は、自分の両親も同然だった。

そんな彼らとも、日常を生きることに必死で、連絡をとらない時期が続き、気がついたときには連絡がとれなくなっていた。

様々な手段を使って、不定期に探し続けていた。
あるときはとても近いところまで行った。
(その家族を知る人からメールがきた)
父親がすでに亡くなっているという話も間接的に知った。
それでも居所まではつきとめられず、連絡をつけられるところまではいかなかなった。
そして、最後に彼らに会ってからもう15年という年月が経っていた。

もしかしてMySpaceなら、家族の誰かが登録しているかもしれない。
先週のある日、ふとそう思って登録したんだ。

image 兄弟の名前を入れて、検索する。
居住地をアメリカ合衆国に絞り込んで検索する。

……検索結果、数千件のヒット。

これはダメだ、と思いながらおもむろに検索結果のページをひとつめくってみた。すると、ひとりのユーザが目に留まった。
年齢が一致する。
居住地が、僕らが一緒に暮らした町のすぐ近くにある都市と同じ名前。

しかしまさか、それだけの一致で本人の可能性は限りなく低いよな……と思いながらも、僕は彼にメール(MySpaceのメッセージ)を送った。

Hello XXXXXXXX,

I am 35 years old Japanese guy, XXXXXX XXXXXXX.
If you are XXXXXX who I am looking for, you must recognize me.
I was in XXXXXXXX High School around 1990, as an exchange student, and my host family's name is XXXXXXXX.

If you are the one I am looking for, please reply me!
I am still living in Japan and doing well.
I had been looking for you and your family for years.

If you are not the one I'm looking for, sorry to bother you.

Regards,
XXXXXX

それが見事に、ヒットだった。
返事がきたのだ。

Oh My God!
How are you my long lost brother!
It has been a very long time since I have heard from you. Many many things have happened since I last spoke with you. I have tried to look for you many many times. I have many many things to tell you.
Have you spoken to anyone from XXXXXXXX lately?
How many years has it been?
XXXXXX lives in Hawaii now. XXXXXX has a baby and is married. I was married and devorced.
My dad died 13 years ago. XXXXXX lives in the same house. XXXXX never talks to anyone. The horses died, and all of the dogs.
I have my own house and a dog. My wife left and I live by myself now. You should call me on the weekend. We have so much to catch up on. I want to hear everything you have been trough and how is your brother and sister?
My phone number is XXX-XXX-XXXX

Your lost but not forgotten brother, XXXXXXX

まだ彼とは話をしていないが、積もる話がたくさんありすぎて、今から年甲斐もなくドキドキしている。

気になるのは、13年前にお父さんが亡くなってから、お母さん(彼らにはステップマザーだったので、momじゃなくて名前で呼んでいたが、XXXXXと名前を伏せてる)が家に籠もって誰とも話をしなくなったと書いてあることだ。

血のつながりこそなかったけれど、僕らはあのとき本当に家族として心を通わせた。日本に帰るとき、涙で前が見えなくなった。抱きしめられたあの温もりは、今でも忘れられない。

彼女は、動物が大好きだった。
場所が田舎だったこともあって、馬を2頭と(SunとMoonって名前だった)、2匹の犬(レトリバーとダルメシアン)を飼ってた。
一緒に馬小屋を建てたのも、いい思い出だ。

13年前といえば、僕が22才の頃だ。
夫を亡くして、その後、立て続けに馬も犬も失ってしまったのか。
なんとかすることはできないだろうか。
遠いアメリカの地を思って、ちょっと感傷的になってます。

コメント

  1. ちゃぼ より:

    へー。

    なんかドラマみたいだなぁ。

    もう行っちゃいなよアメリカ。

  2. うずら より:

    アメリカいきたいけど犬もいるしお金もかかるし仕事もあるし!