Let it be

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ビートルズのLet it beほど、翻訳の難しい歌詞を他に知らない。
いろんな人の翻訳を見たけれど、どれとして満足できるものは無かったな。
それも仕方のないこと、なぜならLet it beの本当の意味を知るには、Let it beという言葉の裏にあるキリスト教の文化的背景や、Mother Maryとは一体誰なのかということに思いを馳せなければならないから。
邦訳するということは、日本人が誤解のないように日本語に変換しなければいけないのだけれど、歌詞の翻訳に脚注だらけなんてカッコ悪いこともできないしね。

あの短い4分足らずの曲の歌詞を、簡潔に説明できない。

Let it beは、「あるがままにしなさい」とか「放っておきなさい」とか「そのままにしておきなさい」というニュアンスの言葉ですね。

そしてこれを誰が言ったのか。Mother Mary。
Mother Maryとは誰でしょうか。聖母マリアのこと。

余談だが、本当に聖母マリアのことだけを指してポール・マッカートニーはこの詩を書いたのだろうか。そこには「マリア母さん」という、一般名詞的な意味での「お母さん」的な意味はなかったのか。
もちろんポールは、この歌を聴いた人が「Mother Mary」=「聖母マリア」だと想像することは分かっていたはず。それでもこの歌を何度も何度も聴いていると、彼の中にある「Mother Mary」は、聖なる存在のマリア様としてというより、もっと身近なマリア母さんをイメージしているように思えてならない。

閑話休題。
どうして「Mother Mary」にこだわるのかというと、「Let it be」=「あるがままにしなさい」という訳が、微妙に元のニュアンスのままではないからだ。

「あるがままにする」とか「放っておく」という言葉は、その言葉の前後のシチュエーションによってプラスにもマイナスにもとらえられる。

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僕がひどい問題に心を悩ませていると
マリア様が現れて
叡智の言葉をおっしゃいます
「あるがままにしなさい」

聖母マリアと縁の薄い人がこれを読んだら、どう思うだろうか。
「どうせ何をしたって無駄なんだから、何もしないで、あるがままにする」
「努力したって報われないから、放っておく」
このようなとらえ方をする人もいるはずだ。

歌はこう続く。

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僕が暗闇に満ちた時を過ごしていると
彼女は僕のすぐ横に立って
叡智の言葉をおっしゃいます
「あるがままにしなさい」

僕はこの「Let it be」には、プラス的な意味を感じる。
そこには、
「きっと救いがあるはずだから、あるがままにしてそれを待ちなさい」
というキリスト教的な考え方があるのだ。
しかし、ここが一番重要なのだけど、その言葉の裏には
「できる限りの努力をしよう。やれることはすべてやって、あとは天命を待つしかないよね」
という意味があると思うのだ。

だから、決して投げやりに放っておくわけでもないし、ただ救いを求めるだけでもない。

日本人ほど宗教色の薄い民族も珍しいが、不思議なことに僕たち日本人は都合のいいときだけ神様にすがる。
元旦には神社やお寺にお賽銭を投げて「今年も無事でありますように」とか
気が向いたときだけ絵馬にお願い事を書いたり。そういう文化なのだ。
これは、単純に「救い」だけを求めている文化なのだと思う。
だからこそ、「Let it be」は日本人に誤解されやすいのじゃないか。
決して、努力のないところに救いの言葉は無い。
ここが、僕の思う「Let it be」の大事なところだ。

「できることはすべてやった。それでもまだ、ぼくはどん底にいる。一体どうしていいかわからない」
そんなとき、聖母マリア様がそばにそっと現れて、叡智の言葉に救われる。
「あるがままにしなさい」

これが僕の、Let it beだ。
だから、僕はこの曲を愛してやまない。
(キリスト教の信者ではないけどね)

コメント

  1. toshikun より:

    僕も、この曲大好きです!
    ただ、僕の解釈はちょと違うけどw

    なんの努力もしなくても、人は生きているだけで素晴らしい。生きていること、その裏に、それまでの全てのもののお陰が集まり、そうして今僕はここにいる。全てのものの存在を感じながらあるがままにいよう。

    そんなふうに考えてます。これはもう仏教思想なのかもしれないけれど、究極においてキリスト教にもそういうところがあるんじゃないかなと、思ったり思わなかったりw

  2. うずら より:

    なるほどね~~、そういう解釈もあるんだ。
    ちょっと目からウロコです。
    キリスト教的思想のなかに「救い」っていうものがあるよね。
    ポールはそんなに敬虔な信者じゃなかったみたいだけど、欧米人の心理にはそのキリスト教の「救い」の心が深く関わってるのかな、って思って解釈してました。
    でも結局音楽って、自分がどう受け止めるかが大事だもんね。
    としくんの考え方も素敵だと思います。
    すごく悟った解釈で、なかなか難しそうだけど……w

    この曲ほど、多様な解釈を受け入れてくれる曲もないよね。

  3. toshikun より:

    うんうん。奥が深い曲だよねー♪ちなみに、前奏だけピアノで弾けたりします( ̄^ ̄)

    そういえば、SWGやってて、初めはただのダンサー志望で平和主義者の僕が、いつのまにやらエルダージェダイなギルマスの市長になっちゃったのもね。考えてみれば、その裏には、うずらさんやharunaさん、chaboさん、団長との出会いがあって、支えられてて、別に僕自身は頑張ってるわけじゃないけど、本当に楽しいと思えること、素敵だと思えることをじんわり続けていれば、何かができるようになる。みんながいてくれて有り難いなーって、そんなことを考えながら、今夜もエグザキューンクエに出発します!!

  4. うずら より:

    ネットゲームは出会いがあるからね~。
    それがネットゲームのいいところでもある。
    今度、四国いったら案内してねw

  5. toshikun より:

    (*'(ェ)’)ノ は~い
    ISDとか、エグザキューンとかどこでも案内するからねーw

  6. うずら より:

    そっちはいいよw

  7. たんぽぽ より:

    初めまして。

    「出発30日前から始める英語」というブログを書いている
    白たんぽぽと申します。

    Let it be の素晴らしい解説をなさっているので、
    トラックバックさせていただきました、

    ありがとうございます。
    また色々参考にさせていただきたいと思います。
    今後とも宜しくお願いいたします。

  8. うずら より:

    @たんぽぽさん
    はじめまして。こんな拙い記事をトラックバックしていただいてありがとうございます。
    昔のブログの記事なので、画像がリンク切れしてますね・・・。
    Let it be、いい曲ですよね。

  9. ゴルゴ13 より:

    ありがとうございますm(__)m
    感動です