事業がうまくいっているかどうかを数値で判断することについて疑問。
ジャンルを問わず多くの人と出会うことを命題にして活動をして来ました。そして多くの方の想いに耳を傾け、話して頂いたり、見せて頂いたりする時間を割いていただく代わりに、様々な業界の抱える問題をメタ的に捉えて、問題解決の足がかりにして行くことを『ペイフォワード的』なお礼として捉え、活動してます。
多くの経営者の方々は、経営者になるだけのことはあって、皆さん聡明で行動力もありますが、本業に命をかけているだけに、組織の外に飛び出してまで社会を変える活動をする余裕のない方がたくさんいらっしゃいます。
そんな有能な経営者の方々が自己解決できない問題は、おおよそ社会構造や慣例の中にあります。
自社内の問題であるならば、早々に解決できる能力の持ち主たちだからです。
業界構造や社会構造に向き合うのは、今まではずっと政治だった。しかしいま、わたしたちは政治家にも経営者にも解決できない、縦割りの隙間に落ち込んだ様々な問題に苦しめられていると僕は捉えます。
世の中には実に様々な経営スタイルがあることを目の当たりにして来ました。
一見してうまくいっているようにしか見えない事業がなぜ破綻するのか。一方で、いつ破綻してもおかしくないようにしか見えない、危ない橋を渡っているようにしか見えない事業がなぜ長期間安定して経営できるのか。
そこには、数値の罠があるという1つの結論を導いております。
ポートフォリオからは見えない様々な課題を、組織は抱えています。
そうした問題を業界全体の視点で俯瞰的にかつ公正に判断できること。さらには業界を超えて、国や世界の社会構造に見出すこと。
ここに踏み込むことには大きな勇気と決断が求められます。
今まで、組織の一員として解決できない問題は組織を超えた視点で解決する必要性に気付きながら、そこに踏み込むインセンティブを確保できないがために踏み込めない人たちをたくさん見て来ました。しかしそこに踏み込んでいる方々もたくさん知り合った。
TOWNSHIP LABOによって最初に形を見せつつあるプロジェクトは、天才的な料理の腕と、食文化への危機感を兼ね備えた不動前のピッツェリア、ベントエマーレの経営者、中西さんとともに立ち上げた『とかいなか食堂』です。
中西さんのチャレンジであると同時に、TOWNSHIP LABOとしても社会へのインパクトを与える形を作り出せるかどうかの真価が問われる、本気も本気のチャレンジ。
活動を通じて、自分の限界を突き抜けなければ前に進めない場面に何度もぶち当たりました。しかし目の前の壁を乗り越えなければ未来はない。後戻りする選択はなかったのです。
諦めるということは、全てのチャレンジしている人の思いを裏切ること。
機会を与えてくれている人たちの人生を否定することになるからです。
崖っぷちだからこそ、できる選択。
何もかも投げ捨てて逃げ出したくなるような絶望は、一瞬で投げ棄てることを要求されました。誰に要求されたかって……誰も要求してません。心の声です。『ここで立ち止まってしまったら、全てが無になるぞ』という。
時には自分に激しい鞭を打つ必要もありました。予想外のところから全力否定されることもありました。
それでも前に進むために、自分のプライドをかなぐり捨てて、人に会う。人と話す。カフェに立つ。
苦しいことは、変化のために必要なことをしているサインだと信じて。
今僕はかなり、消耗してます。
しかしまだ諦めていない。
それどころか、成功の確信は日々、増している。
あと少し、少しだけでいいから、僕に力をください。そう神様に祈りながら行動しています。
こんなことを書いているのも、自分の苦しさを主張したいからではないのです。ここまで来るためにお世話になった皆さんの思いを、こうして1人でも多くの人に伝えて行くことが僕の使命の1つだと思ってます。そして1人でも多くの方が、立ち上がってくれたらいいなと思います。
毎日が激しい葛藤ですが、間違いなく今この瞬間の自分は、生きている実感にあふれています。
そんな活動を通じて見えて来るのは、これからの時代は経済的な数値だけでは見えない価値に重きが置かれるという確信です。
情報が容易に手に入る時代だからこそ、偽物や偽善に対して人はより敏感になって来ている。
偽物や偽善に加担する気のない人は、立ち去ります。
本物とは何か。
メーカーの方を誹謗するつもりは全くありませんが、○○のように見えて○○ではないものを、消費者はもう受け入れなくていいと思うのです。
バターのように見えてバターではないもの。
コーヒーミルクのように見えて、そうではないもの。
美容に効果があるように見えて、全く効果のないもの。
本物のITサービスのように見えて、そうではないもの。
代替品が、代替品になっていないこと。
本当に欲しいものは、本当にそれですか?
先日見た記事は、世帯年収1千万円の家庭が7千万円の住宅を購入した話でした。2人の子供がのびのびと暮らせるために買った4LDK。しかしローンの支払いが家計の半分を占めてしまい、子供が大きくなって来た今、子供の教育にかけるお金がないと苦しんでいる話でした。
既得権を捨てるためには、とてつもない勇気が必要です。
しかし本質を見極めなければ、事業は先細りし、家計は火の車と化し、夢もへったくれもなくなる。
近道は存在しない。
数値にごまかされない家計。
数値にごまかされない企業経営。
そのために必要なのは、人と人を繋ぐ思い。
何を甘っちょろいこと言ってるんだこの男は、と思う方もいらっしゃるでしょう。
果たして本当に甘いのでしょうか?
僕は、僕の仲間たちを代弁しているに過ぎない。
決して自分勝手な主張をしているわけではない。
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