今回は、新しくaudio-technicaのヘッドフォンアンプを買ったというおはなし。
まずは、音を比較してください
それぞれ出力のミニジャックから直接MacBookのライン入力を通して録音し、Audacityで長さなどを編集してLAMEで128kbps MP3に書き出したものです。波形は一切手を付けていません。これがないと分かってもらえないからね、頑張っちゃいましたよ。
iPod classicの音質
iPod classicの音質がよろしくないというのはだいぶ前に書きましたが、いろいろ調べてると
「どうせ外で聴くんだから音質なんてこんなもんで十分でしょ」
という意見の人がたくさんいるようです。
でもね、そういうレベルじゃないんですよ。
付属のイヤフォンを使ってるならまずそこからだろうけどさ、いいヘッドフォンを使って比べたらガッカリするんです。それが例え電車の中だろうと、車の中だろうと。
ちなみに音質を自分の体感で比較すると以下のようになります。
iPod Shuffle (1G)>iPhone (3G/3GS)>iPod nano (3G)>iPod classic (6G/6.5G)
異論もあるかもしれませんが、すべて自宅の機器で同じ曲を同じiTunesから入れて同じヘッドフォンで聴いた感想です。(iPod touchもあるのですが、これは比較していないのでわかりません)
▲自分でも驚いたのですが、いちばん音質が良いと感じたのが、なんと初代iPod Shuffle。
何なんでしょうね。シンプルでノイズが入りにくいのでしょうか。しかし残念なことにウチのiPod Shuffleは512MBしか容量がありません。今のiPod Shuffleは2GBとか4GBとかありますが、音質はどうなんでしょうね。現行iPod Shuffleの問題は、ボタンやスイッチの類が本体に無いので、コントローラ付きのヘッドフォンしか使えないということです。(コントローラが別売りになってるのかな)
▲次に音が良かったのが、iPhoneです。3Gと3GSで音質比較しましたが、違いは分かりませんでした。
きっと音まわりは同じなんでしょう。
▲iPhoneの次によろしかったのが、iPod nano 3Gです。
正直、iPod ShuffleとiPhoneの差と比べて、iPhoneとiPod nanoの音質の差はあまり大きく感じられませんでした。
最後に、iPod classic。もうこれは決定的に、致命的に違います。
どう違うかというと、全体的にダイナミックレンジが狭いのでしょうか。ペラペラに聞こえるんです。
それでもしばらくiPod classicばかり使っていると慣れてくるんですけど、たまにiPhoneで音楽を聴くと、低音のパンチ、中音の情報量、そして高音の抜け、臨場感、広がり感、すべてclassicのほうが劣っているんです。
じゃあどうしてclassicを使い続けるのかというと、大容量だからです。
普段iPhone 32GBも持ち歩いてるので、そちらにも音楽入れてますが、iPod classicのほうが便利。
すべてのプレイリストが入っている。すべての曲が入っている。すべてのPodcastが入っている。
Dock出力 + ヘッドフォンアンプで音質改善
どうやらclassicの問題は、DACもさながら内蔵のヘッドフォン用アンプにもあるようだということが分かってきました。オーディオメーカー各社もそれを認識しているようで、少なくともヘッドフォンジャックよりも、Universal Dockから音をとるほうが音質が良くなります。
ということは、以前も書きましたね。(→Dockポート)
それでその時は、fiioという中国の会社のポータブルヘッドフォンアンプを買ったのでした。評価も悪くなかったし。
"ヘッドフォンアンプ Fiio E5" (オヤイデ) |
fiioはに入出力はステレオミニジャックなので、iPodのUniversal Dockから音を取るために、Dockポートから接続するためのアダプタも購入したのでした。
"AUDIOTRAK iPodオーディオケーブル3GS 10cm AT-iacS3" (AUDIOTRAK) |
こんな感じ。
ちなみにiPodのミニジャックから出る音はアンプで増幅されていますが、Universal Dockから出る音はLine Outです。外部のアンプで音を増幅してやる必要があります。そのままヘッドフォンに繋いでも、音が小さすぎて聴こえませんのであしからず。
上の構成によって、確かに音質は向上しました。
劇的とまでは、いかないんだけどね。
で、このヘッドフォンアンプがプラプラしてるのは使いにくいので、iPod classic用のクリアハードケースと両面テープでくっつけて、やたらごついiPodになったのでした。
これで一件落着だったのですが、まあとにかく、fiioをつけたiPodはでかくてワイシャツの胸ポケットに入らないし、iPodとfiioの両方充電しなきゃいけなくて面倒だったし、ボリューム調整は完全にiPodと分離されてるし、使い勝手の悪さから、最近はiPodだけケースから出して持ち歩くことが多かったのでした(笑)
なにこれ、こんなに音質違うの?
ちょっと前から気になっていた、audio-technicaのこれ。AT-PHA30iといいます。
"audio-technica iPod専用ポータブルヘッドホンアンプ AT-PHA30i BK" (オーディオテクニカ) |
"audio-technica iPod専用ポータブルヘッドホンアンプ AT-PHA30i WH" (オーディオテクニカ) |
ちなみに最後に"i"がついていないモデルは、入力がUniversal Dockじゃなくて普通のミニプラグです。
このヘッドフォンアンプ、iPodのリモコンがついてて、はじめからUniversal Dock接続仕様になっているのが素敵ですが、まあfiio持ってるし本体の大きさもちょうど同じくらいだし、こっちのほうが価格は3倍くらいするけど買うほどのもんじゃないだろ、と思ってました。
しかし先日ヨドバシカメラに行ったらデモ機が置いてあったので、まったく期待もせずに、まあちょっと試してみるかくらいの気持ちで自分のiPodとヘッドフォンをつないで試してみたのですが……。
驚くべきことに、まったく別モノ!!(音質)
いや、本当に驚きました。やっぱり凄いな、日本のメーカー!
音質だけでかなり食指が動いてしまったのですが、さらに追い打ちをかけるように以下のような利点が。
- リモコンで再生停止、選曲、ボリューム調整ができる。
- ボリューム調整は、iPodのボリュームと連動している。(fiio E5は連動してない)
- iPodからDock経由で電気をわけてもらうので、電池不要。
とくに「電池不要」は素晴らしい。
メーカーWebサイトより抜粋:
音質補正回路を搭載した高音質DockコネクターでiPodの性能をフル活用。
従来のヘッドホン端子から出力されている音声信号よりも、iPodのDockコネクターから出ている音声信号の方が低域の痩せが少ないため、高音質と言わ れています。ヘッドホン端子よりも高品位な信号を、新開発の音質補正回路を経てダイレクトにヘッドホンへ伝送することで、iPod性能をフルに引き出し原 音に忠実な再生を行なえます。高ダイナミックレンジが奏でる空間の広がり感をお楽しみください。iPodから電源供給する、電池不要のシンプル設計。
iPodの特長の一つである使いやすさを損なうことのないように、アンプに使用する電源は、電池を使用せず、 iPodから供給する方式を採用しました。ヘッドホンと iPodの間に接続するだけですぐにお使いいただけます。(iPodの再生時間が短くなります(約2/3程度)。ご使用状況およびiPod機種により異なります。)再生/停止/音量調整などの基本操作が手元で行なえるリモコン付き。
通勤時間帯など、混雑した電車内で一度カバンにしまったiPodを取り出すのは意外と面倒なものです。そこで、アンプ以外の付加機能としまして、iPod の基本操作が行なえるリモコンを付属しました。裏面には大型クリップを採用し、手軽に衣服やカバンに固定できます。また、歩行時に起こる不快なタッチノイ ズも軽減します。
というわけで、買ってしまいました。
iPhoneには対応していませんと書いてありますが、使えます。
接続すると、iPhone上で「このデバイスはiPhoneに対応していません」というダイアログが出て、機内モードにするかどうか聞かれます。「いいえ」を選択するか、そのまま放置して消えるのを待てば、普通に使えます。
コメント
classicってそんな弱点があったのか。
車でFMトランスミッター使って聴くだけだから、音質についてはとっくに諦めて気にしてなかった。
> ちゃぼ
そうなんだよ。でもまあ、トランスミッターからどうにかしよう。
ちなみにトランスミッターってUniversal Dockから接続するでしょ。だから、ヘッドフォンジャックからの音質とはあんまり関係がないんだけど、でもまあFMで飛ばしてるところがね。ちゃぼCarには他にiPodの接続方法無いのかな?
初めまして,subと申します.
アンプで音量は変わってると思いますが,それで音質がよく聞こえるとは違うんですかね?
同じ大きさにすると音質の違いがわかりません汗
ぼくの耳がだめなんですかね?w
> subさん
コメントありがとうございます。
半年ほど前の記事なので詳しいことは覚えていませんが、Audacityというフリーの波形編集ソフトを使って実際に波形を比較したんです。それで見たところ、音量が大きくなっているというよりも、音量の大小の差が大きくなっていました。
小さいところ両方おなじくらいで、大きいところはaudio-technicaのほうが大きい。
つまりダイナミックレンジが広いということになるでしょうか。
低音の強調はどちらも意識しているようですが、実際に聴いてみるとキレが違います。
お近くに取扱店があるようでしたら、ぜひ聴き比べてみるのをお勧めします!
東京都内でしたら、秋葉原のヨドバシカメラに両方とも試聴用の機器が置いてありましたよ。