あの夏、僕は確かに何かをつかみかけていた。
一体あの感覚はどこへ行ってしまったのだろう。
近頃ずっと、東へ向かう列車のYouTubeを再生してた。
眠ってる間ずっと、列車は進行してた。
早朝に目覚めて、今日に決めた。
あの街へ行く日。
途中でカフェを見つけ、朝の仕事を済ませる。
そしてまた、ひたすら東へと走る。


君ケ浜。

ニャース、久しぶり。
やっと会いに来ることができたよ。

つい昨年のこと
つい数年前のこと
それらが、まるで別の人生のことのように、はるか昔に思える。
僕は確かに、あの時もここにいた。
別のあの時も。そしてあの時も。
銚子の道を覚えてる。
確かに僕の記憶だ。
かつてここにいたのは僕だ。
あの時の感覚が、溢れるように蘇る。
目頭が熱くなる。
とてもとても、遠い場所まで来てしまった感覚。
激動の40代。
思い返せば、30代も、20代も、激動。
たまにはセンチメンタルにもなるさ。
会いたい人に会えないのはつらい。
正直に生きているつもりでも、会いたいのに会えない人が、人生には次々とやってくる。
この世にもういない人。
この世にいるのに会えない人。
後悔はしたくない。
死んだらもう会えないんだから、生きているうちに会いたい人がたくさんいる。
けれど会えない?
生きることって、いつも難しい。
とっても難しい。
荒波の中でサーフィンをしているようだ。
なんども溺れかける。
今ある幸せを数えても数えても
決して満たされないものがある。
前に向かって走ることは、決してその代償にはならないが、
走っていれば必ずまたいい日がやってくると
信じなきゃ、やってらんない。