インド

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インドから戻り、1ヶ月が経とうとしています。
新しい会社でも担当しているプロジェクトが複数スタートを切り、まだまだ時間的束縛こそ少ないですが、顧客とインドの間の調整に追われる毎日です。

ここ数ヶ月の経験を通じ、IT市場での日本とインドの関係について色々と考えさせられることが数多くありました。
まあこれは今に始まったことではなくて、常に考えさせられているのですが。
インドにおけるIT市場の未来予想図は、描く人によって様々です。誰にも読めていません。
ひとつ間違いないのは、この業界にいる限り、日和っていたら未来は無いだろうということです。
インドのアウトソーシング業界の海外受注総額は、10年前(1997年)の10億ドルから、約350億ドルまで急成長しました。
2010年にはこれが600億ドルになるだろうと言われています。
しかしそこにはいくつもの不安要素もあります。
ルピー高による収益減。
インド国内の人材、インフラの不足。
賃金の高騰。
ビザ発給問題。
アクセンチュア、IBM、EDSをはじめとする米国の老舗も巻き返し。

こうした世の中の流れに惑わされてしまうと、完全にやられます。
インドは、ビジネスのためのツールという考えを持っていると、振り回されるのです。

オフショアにおけるアウトソーシングは、一般の人(業界の外の人)から見たらホットなイメージがあるかもしれませんが、実際には熾烈なシェア争いと、個々のプロジェクトが抱える様々な問題、将来の不安の渦中にあるのです。

今の自分は経験の最中にあります。
まだ自分の意見をまとめるほど心が定まっていません。
しかし、インドとの係わり合いを始めた頃とは、気持ちが変わってきていることだけは確かです。
インドの中でITという狭い部分だけを見て、飛び込んだあの頃とは違います。
装飾は少しずつはがれ、自分の前にその実体を現しつつあります。
それでも、インドとのかかわりにこだわる自分。なぜでしょう。
インドが好きになってきているからです。
日本とインドは、お互いに無いものをたくさん補い合うことができる国同士なのです。
二国の未来のために、少しでも力になることができたら……。
一介のエンジニアとしてできることは限られていますが、無力ではありません。

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