初心者の質問

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mixiでiPod classicのコミュに参加しているんだけど、「困ってます」ってタイトルでトピを立てて質問をしている人がいた。
単純にその質問と似たような経験があったから、答えてあげたら
「単発質問トピはダメ」とか「【困ってます】ってトピ名じゃ内容もわからない」などと指摘してきた人がいた。
さらに「これも、安易に自分の知識をひけらかし、のうのうと回答する輩が後を絶たないためです」と、回答した自分まで非難される始末。

そんなルールどこにも書いてない!
実際、自分はインターネット歴こそ長いですがmixiのコミュなんて本気で参加したことがないので、そんなローカルルール知らん。
って(もうちょっと穏やかに)反論したら、

「これはmixiに限らず、一般論として存在するルールです」

などと言われてしまった。
これは反論せざるを得ないが、そこは反論に適した場ではないのでやめといた。

どうして「タイトルは質問の内容がわかるように」するのか、について。
これは、インターネットが商用化される前(学術ネットワークだった頃)からあるネットニュースやメーリングリストに端を発すると思う。
不特定多数が購読するこれらのコミュニティでは、「初心者だといえば初心者であることが許されるわけではない」という文化があった。
それは、現在のインターネットとは背景も異なるから言えた台詞だと思う。
現在、家庭の主婦や子供でさえ(mixiは18歳未満禁止だが)参加できるインターネットで、同じことを叫んでいても無駄だと思う。

ここで問題は二つに分けられると思う。
ひとつめは「必要なルールか」ということと、もうひとつは「KB(ナレッジベース)のあり方」だ。

最初の問題について。
当時はタイトルの付け方以外にも様々なネチケットがあった。

  • 適宜改行を入れること
  • シグネチャは3行以内
  • 文字コードはJIS(ISO-2022-JP)で
  • 件名はJISをデコードできないMUA(Mail User Agent: メールクライアント)が多いのでASCIIで
  • 機種依存文字を使わない

これらは、時代とともに変化した。
たとえば、適宜改行を入れるというのは、引用をしたときに改行が乱れるのを防ぐために、60~70文字程度で改行を入れるというルールだが、プロポーショナルフォントを使ったHTMLメールが当たり前になった現在、意味がなくなってきた。(それでも一部のコミュニティではまだHTMLメールは禁止だし、改行ルールもある)
文字コードも、UTF-8の出現でルールが変わってきた。
そしていまやJISやUTF-8でエンコードされた件名がデコードできないMUAなどほとんど存在しないので、件名に日本語を使ってもOKになった。
機種依存文字については、いまだに半角カナや丸で囲まれた数字のようなWindowsでしか表示できない文字があるが、これらのルールを守るは携帯電話のブラウザ普及により、難しくなりつつある。

思うのだが、こういったルールは「システムで対応できない」から、使う人間側に強いてきたことなのだ。
しかし現在はWebをはじめとするインターネットの技術が進歩し、使う側がそんなルールを意識せずともシステム側で対応できるようになった。
たとえば半角文字を使うユーザがいれば、サーバ側で全角に変換したり。
これはユーザビリティ設計にも関係してくることだが、Webのフォームなんかでも未だに「カタカナで入力してください」とか「ひらがなで入力してください」とか、「半角数字で入力してください」とか、ユーザ側にかける必要の無い負荷をかけているものが多い。これは、Webフォームを作る側の怠慢だ。
入力された文字が期待したものではないとき、それを変換してやればよいだけの話だ。ひらがなをカタカナに変換したり、全角数字を半角数字に変換したりするのは、とても簡単なことなのに。

ちょっと話がそれました。

さて、「タイトルは質問の中身がわかるように」とするのは、大きく二つの理由がある。

  • 後から検索性を良くするため
  • 本文を読まなくても内容がわかるようにするため

しかしこれは、mixiでは通用しないのではないか。
なぜなら、まず前者に対する理由は、mixiのユーザ層にある。iPodの使い方で困ってるユーザは、自分もそうだったが「質問トピを立ててはいけない」「タイトルは内容がわかるように」などというルールを知らない。
ルールを知るのは、トピを立てて叱られてからになる。
しかしmixiのトピックシステムがそのように設計されていないことは明白で、誰もそのような使い方を強制することはできない。
それが暗黙知だったとしても、共有されていない暗黙知に意味などない。

後者に対する理由は、mixiでの検索(コミュニティ内検索)機能は、全文検索だからだ。
タイトルだけで検索できるのならまだ分かるが、本分の内容も検索対象となってしまうのだ。
これが前述した「KB(ナレッジベース)のあり方」につながるのだ。
KBは、必要な情報に素早く正確に到達できる検索性が求められる。昔はこれを人間側でなんとかしようとして、タイトルには概要を入れよとか、このフィールドには何を記入せよとかやっていたわけだが、それをやって失敗してきた例は枚挙に暇がない。そこで救世主的に現れたのが、全文検索だ。
日本ではNamazuを使ったシステムが先駆者だろう。この考え方は、Mac OS XのSpotlightに生きており、そこからGoogle Desktopや、Yahoo!、Microsoftなどの同様のサービスでも生きている。
いまやタイトルだけで検索するシステムなど古い。
昔と違って、全文検索するためのシステムのリソースは十分にある時代だ。

つまり何が言いたいのかというと、どこか古い引き出しから引っ張り出してきたようなルールをmixiに適用して、変なローカルルールを作って、それが「一般論です」なんて言うなってこと。それから、ルールには理由があるわけです。破られて困らないルールは、存在そのものを疑問に思ったほうがいい。困るのなら、ちゃんと明記すべき。一般論です、知ってて当然ですなんてルールとは言えません。道路のどこにも制限速度が書いてないのに40km/hで走ってたら警察に捕まって「ここは30km/h制限です」って言われてるようなもんですよ。

コメント

  1. よもぎもち より:

    コミュによってはそういう人がいたりしてねー。
    なんか、コミュの内容とは関係ない話でやりあってお祭り騒ぎになってたりする。
    200個以上のコミュに参加してるけど、マンガ関係では見当たらないな。いまのとこ。
    一番酷かったのが犬コミュ。
    まったく犬の話題ナシで、人の書き込みに対するあげあし取りの言い争いが続いてたりしてた。
    鬱陶しいから退会しちゃったけど。ヾ(´ー`)ノ

  2. わい より:

    たしかに困ってますとか、教えてくださいというタイトルを見かけることがあるし、それを非難する人も見かける。
    本文見るのが面倒なら見なきゃいいのにね。
    「法の番人」気取りが好きな人もいるんだろうね。

    状況にもよるけど「過去スレを見ろ!」とかいう命令調も気に食わない。
    検索もできないところで膨大な過去スレのいったいどこに答えがあるのか。
    急いで答えを見つけたい人だっている。
    答えたくなければスルーしてればいいのに。
    わざわざ非難するようなレスを手間かけてつけなきゃいい。

    ぜんぜん話が違うけど、エスカレーターの右(関西は左)を歩いて上る(下る)ことが一般的だけど、そもそも間違ってないか。
    メーカー側でもあるいは設置場所の表示でも歩いて上ることは危険なのでおやめくださいとしている。
    あと、結構長いエスカレーターは片側しか人がいなくて、もう片側ががらあきということがよくあるんだよね。
    総武快速の東京駅とか、名古屋の地下鉄から新幹線へのエスカレーターとか。
    なんかすごい変。普通に両側に立って乗ってくれれば、エスカレーター待ちが少なくてすむのに。

    一般論(これは論ではなく一般「的」だけど)でも、それってどうなの?ってことはよくあると思うよ。

  3. うずら より:

    ママさん>
    どこにでもいるもんだよね。
    で、議論してもヒートアップするだけだから、フェイドアウトもしくはスルーに限るね。

    わいさん>
    ほんとに、そのとおり。
    見なきゃいいんですよー。
    もし仮に「スレがカテゴリ別に整然と並んでいる状態」を期待しているのだとしたら、mixiのシステムでは無理ですよねw

    「過去ログ読め」もmixiじゃ通用しないし、それって元々はインターネットの古い住民たち(つまり技術をある程度知っている人たち)が作ったルールなのですよ。
    しかしそのためには、検索しやすい過去ログシステムが必要なわけだけどね。mixiみたいなところで実現するのは無理!

    エスカレーターの話、あるあるw
    以前、エスカレーターの左右をふさいでいた老人と子供が、後ろから来たサラリーマンに「邪魔だ、どけ!」と蹴られたという事件がありましたよ。
    こういう人は、暗黙のルール=公然のルールだと思い込んでる。怖いもんです。

    たしかに両側普通に使えたらそのほうが効率的だよね。