今日は日帰り出張で、名古屋まで行ってきました。

帰りの新幹線の中で……。

5人家族（父、母、祖父、祖母、娘）っぽい人たちが、椅子を向かい合わせにしていました。
娘（幼稚園児くらい）が大はしゃぎ。
もうかれこれ30分くらい、同じ言葉を再現なく叫び続けてる。
両親も祖父母も意に介さず。
しかしだんだんエスカレートしてきたので、ちょっと気になったらしくものすごい小声で（ひそひそ声で）
「……静かにしなさいね……」
「……うるさくしちゃダメだよ……」
と、ささやく両親。
そんなこと聞いちゃいない娘。
あいかわらず意に介さない祖父母。
父親が「これはもうヤバイ」と思ったのか、通路に娘を連れて出て行った。
一瞬静かになるが、通路で娘が暴れまわっているので、頻繁に自動ドアが反応して開いたり閉まったりを繰り返す。
ドアが開くたびに、金切り声が聞こえる……。
父親の声
「ほらほら走っちゃだめだよ～～♪」

こんな光景を、花粉症で両方の鼻が詰まっていたせいもあって、ちょっとだけイラっとしながら見てました。
隣の席に座ってた同僚のAが、
「日本では、親は子供を叱らないよね」
ってボソって言ったので、あわてて訂正ｗ
それは世代による傾向みたいだよ、最近そういう親が増えてるらしいねって。
自分はすくなくとも悪いことしたらブッ叩かれたし、そういう親も今でもいるんだよって。
そしたら「親に叩かれたことある？」って聞くから「あるよー」って言ったら、びっくりしてた。日本の親は子供を叩かない文化だと思ってたんだってｗ
軽くショックだわｗ

そう答えながら、在日外国人のAにとってもやっぱり最近の日本の子育てはそういう風に見えるんだなぁと、あらためて時代の変化を感じました。

Aのご両親（とくにお母さん）は、よく話を聞くけどとても厳しい人みたい。
厳格なプロテスタントの典型のようなお母さん。
よくぶん殴られたらしいけど、
「悪ガキなんて暴走が始まったら叩かなきゃ言うこときかないでしょ！自分もそうだったし！」
「躾は親と子の駆け引き。子供は常に親がどこまで自分の要求に対して譲歩してくるか試してるから、ある時は引いて、譲れないことは頑として譲らないのが大事」
とか、Aの教育方針をいろいろと聞いてへぇーとかほぉーとか言ってました。
アメリカにもおかしな親はいる。モンペアだってHelicopter parentsって言葉があるし。
それでも、Aの言うようなしつけが定着している文化はいいなと思う。
しかしこれは、あくまで「平均」の「感覚」の話であって、すべての親が同じ傾向というわけではない。

話はここで終わりではなくて、いい話。

新幹線を降りて、都内の在来線に乗り換えたときの話。

まだ午後のすいている時間で、席に座っていない乗客がいない車内でのこと。

ひとりのお母さんが、1～2歳くらいの娘を抱っこして電車に乗ってきた。
その娘さんは、虫の居所が悪いのか、火がついたように泣き叫んでる。
まあ満員電車ってわけでもないから周囲はそれを気にもしてない雰囲気だったんだけど、お母さんは周りを気にしてオロオロしながら、ドアの前に立ったまま娘を抱っこして、なんとか鎮めようとがんばってる。
でも娘は大興奮状態。ギャンギャン泣いてるわけ。
かわいそうだなーと思いながらも、何もできないよね普通。
そしたら！
自分の隣に座ってた初老のおばちゃんが、スッと立ち上がり、その母娘のところへ。
お母さんに話しかけてた。
よく聞こえなかったけど「あらあら大変ねえ……」みたいな感じ。
すると、見知らぬオバサンに母親が話しかけられていることに驚いたのか、娘が一瞬でキョトンとして泣き止んでしまった。
しばらくお母さんとボソボソ話してたオバサン、今度は娘に話しかける。
何を言ったのかこれまたよく聞こえなかったんだけど、
その瞬間、
娘の顔がパァーーっと明るくなって、
「アハハハッ！」「キャッキャッ」と笑い出した。さっきまで目に貯めてた涙を頬に残したまま。
その娘の変貌ぶりに、
なんてすげーオバサンなんだ！！！どんな魔法使ったんだよ！！！
と感動してしまったよ。