Rapid Cycler(躁うつ病の急速交代型)

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躁病エピソードと鬱病エピソードを年に4回以上繰り返すことをRapid Cycler(急速交代型)といいます。

躁状態、うつ状態の繰り返しには、よろしくない弊害がいくつかあります。

急速交代型になると繰り返しの頻度が上がるわけですから、弊害が発生する可能性が高まります。また、急速交代すればするほど、再発が早くなっていく傾向があるそうです。

1. 認知症になる確率が高まる

世界を認知できなくなって生きていく。なんて恐ろしい事でしょうか。

もしそうなったときには、自ら対処ができるほどの頭が残っているのでしょうか。アルツハイマーと認知症はよく混同されますが、アルツハイマーの危険は無いのでしょうか。

アルツハイマー型認知症は脳の萎縮によって引き起こされるもので、つまり症状は不可逆なのだそうです。

2. 投薬の副作用

急速交代するということはつまり常用の薬が効いていないということなので、さらに強い薬や別の薬が処方される可能性が高まります。定型/非定型抗精神病薬、安定剤、その他。薬のほとんどは肝臓で成分を分解するため、肝臓に負担がかかります。AST、ALTの上昇に気をつける必要があるでしょう。それ以外の主な副作用として糖尿病、振戦(身体のふるえ)、脳細胞の減少、不眠、体重増加、アカシジア、倦怠感など、気になるものがたくさんあります。

アカシジア
錐体外路症状(EPSという)による静座不能の症状のことを言う。ドーパミンD2受容体拮抗作用を持っている抗精神病薬による副作用として出現することがある。高力価な作用を持つ薬物ほどこの症状が出現しやすくなるという。

強い・弱いにかかわらず、薬には副作用がつきもの。作用があればどこかに反作用があるのは避けられないのです。

心が穏やかになる代わりに頭がぼやけることもあります。記憶もあやふやになり、考えるのが苦手になる薬もあります。頭がぼやけすぎると、自分の状態もうまく判断できないという悪循環に陥る可能性があります。「このまま戻らないんじゃないだろうか」と不安になります。それが薬のせいなのか加齢のせいなのか、よくわからないのでさらに不安になるのでした。

あらゆる精神病の薬が、脳細胞の伝達物質を外部からいろいろ操作しようというのですから、脳に影響がないわけがありません。
研究が進んできたとはいえ、まだよくわかってないことのほうが多いのです。

症状繰り返し頻度が高いことで、得することは何もありません。どうにかして、安定を維持できる期間を延ばしていきたいものですね。

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