iPhone 6とiOS8から見えるAppleの新しい戦略

今日の夕方からiPhone 6の予約が始まる。そして来週にはiOS8がリリースされる。

早速iPhone 6を予約しようと思って確認したらMNPの解約月は来月だった。機種変更はお金がかかるから毎回キャリアを乗り換えてて、今まではソフトバンクとauを行ったり来たりするしかなかったけど今はドコモも選択肢にある。いまソフトバンクだから、次はauにするかドコモにするか迷うところだ。

iOS8で一番楽しみにしているのは、サードパーティのキーボードアプリが使えるようになることだ。たとえばATOKを使うことができるようになる。ジャストシステムは既にリリースを表明している。
これはAndroidでは当然のようにできることだったんだけど、iOSでは長い間実現できていなかったことなのだ。
Androidにはセキュリティ上の不安があって、文字変換用アプリのSimejiがユーザーの入力した文字を全て中国のサーバに飛ばしていたことは記憶に新しい。

iPhoneの標準キーボードは変換性能が良いとは言えない。慣れるとあまり気にならなくなるんだけど、たまにごく簡単な単語が候補に出てこなかったりするし、文脈を踏まえた変換ができない。また、ユーザー辞書に致命的なバグがあって、環境によっては一切使えない。

せっかくATOKも使えるようになるということで、自分のように仕事でもたくさん文章を入力する人にお勧めなのはATOK Passportというサービス。

月額制のサービスで、ベーシックが286円、プレミアムが476円。
これだけ払っておけば、最大10台まで自由にATOKを使うことができる。
対応している端末はWindows、Mac、Android、そしてiOS。
自宅でも会社でも出先でもATOKが使える。
全ての端末間でユーザー辞書が自動的に同期されることに加えて、プレミアムではクラウド上の予測変換を利用することもできる。

iPhoneやiPadでATOKを使いたいという声は小さくなかった。これでようやく変換地獄から抜け出すことができる。

おそらくGoogle日本語入力もリリースされるんじないかな。

ともかく、ジョブズ亡き後、Appleはそのビジネススタイルを大きく変えてきた。それはキーボードの解放だけでなく、例えば今回のiPhone 6のサイズにも見られる。ジョブズは生前、iPhone 6まで設計していたなんて話があるけど、でまかせにもほどがある。ジョブズはiPhone 4の画面サイズにこだわっていて、大画面のAndroidを馬鹿にしてた。
実際、自分もあのサイズが手になじむ最適サイズだったと思っている。表示領域が足りないなら、画面を大きくするのではなくUIの設計でどうにかすべきだったのだ。

とはいえ、ジョブズ時代にも通知センターのようにAndroid発祥と思われる機能を実装していたから何ともいえない。

iPhone 6のサイズから、AppleがAndroidを潰しにかかっているということが伺える。iPhone 6 plusとGalaxy Noteなんてほぼ同じサイズ。

これで焦るのはAndroid勢。これまで独自の価値観で端末を開発してきたAppleが、明らかに競合を意識した製品を発表した。大画面を最大の売りにしていた製品は特に大打撃を受けるだろう。

ハードウェアスペックだけを比較すれば、例えばiPhone 6の搭載RAMは1GBに対しフルスペックのAndroidは3GBが主流で、Androidの方が良いように見えるかもしれない。しかしハードとソフトを合わせて設計するiPhoneはリソース効率のよい設計ができる。ハードの種類も限られているから最適化しやすい。
さらにOSやアプリケーションの構造の違いなどがあるため、歴代iPhoneは相当なパフォーマンスを実現してきた。

次々とリリースされるAndroid端末に対して、iPhoneは１年に１回しかリリースされない。そのためAndroidよりも長いスパンで陳腐化しないスペックが必要だが、ユーザーの視点に立つと高い金を出して買った端末を長く使い続けられるというメリットがある。
これはハードに限った話ではなく、Android端末の多くがOSのアップデートを2〜3世代しかサポート出来ていないのに対し、iOS7は４年前に発売されたiPhone 4をサポートしている。

このようなメリットを、ジョブズのいないAppleがどのように生かして戦略を立てることができるか、今後の展開から目が離せない。

よくApple信者と勘違いされるけど、自分はジョブズ信者なのだ。ただ、今まで使い続けてきたiOS端末には期待させてほしい。これからも革新していってほしい。