言葉

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言葉というものは気付かぬうちに心の内情を適切に表現してしまうもので、その言の葉のひとつひとつに拡がる繊細な趣(色、感情、匂い、鮮度、などなど)を掘り下げていくことにより、話し相手の方がどのような心の状態でお話をされているのかを感じ取ることができます。
これは、言葉の上っ面だけを追って、自分が解釈したいように解釈できる言葉を拾うような荒削りな言葉の読み取り方では決して成し得ないものです。言葉というものを繊細な陶器のように扱うことを日頃から心がけて習慣にすると、コミュニケーションの帯域幅が拡がり、カラフルな言葉と心の情感による美の世界を体験することができます。

相手への気遣いから、思ったことをダイレクトに伝えずにやんわりと伝えることができるのが言葉の美点です。これをよく日本語の美点という表現をなさる方もいらっしゃいますが、おそらくすべての言語で可能であり実践されていることです。人間ですからね。

やんわりと伝えるというのは、簡単なようでとても難しいものですね。
言葉選びの際に、きちんと言いたいことが伝わるようにしつつ、ダイレクトさも失わせず、相手への思いやりと伝えたい内容を同時に伝えるのが「やんわり」の本質です。
これは、伝えた相手が感情的に尖らずに、伝えたい内容そのものをダイレクトに受け取ることを阻害しないようにする技術です。

ところが、伝えたいことをブレさせてしまったり、ダイレクトさを失わせてしまうと、本来ならば指摘するつもりもなかった別のことを、結果的に言葉で刺激してしまうというミスコミュニケーションが起きてしまいます。これは本当によくあることです。

カメラにたとえると、ピントをぼかしたり、フォーカス(撮影対象)を変えたりしてはいけないのです。
言葉というものを「包む」ときには、作法があります。

ピントをぼかす言葉、フォーカスをずらす言葉があります。
これらの言葉は、自分がもし使ってしまっていたことに気づいたら、自分の軸がブレていることに気付くきっかけになり、他人がもし使っていることに気づいたら、その方のどこに違和があるのかを見つけ出すヒントになります。

「考える」「凄い」「感謝」「忙しい」「頑張る」「大変」「お疲れ」「ご苦労様」「良かった」「たぶん」「きっと」「おそらく」

尊敬する方に気付かせていただいた、言葉のヒントたちです。これらの言葉を使う人は、仕分けさせていただいております。

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