人にはそれぞれ、得意・不得意があるように、耐えられるストレスのタイプにも色々あるとおもう。
たとえば、
Aさんは、技術者。彼は、与えられた課題に取り組むことにかけては、プロフェッショナルである。基本的に、新しい技術を学ぶことも好きだし、仕事を誇りに思っている。
しかし、好きで選んだ技術職とはいえ、すべて順風満帆というわけにはいかない。ときにはプロジェクトで発生した難問に直面し、限られた時間で解決することを要求されるし、そのような課題がいくつも同時に進行することだってある。
しかしAさんは、そのような課題を、大変だしチャレンジだなと思うことはあっても、決してストレスに感じたりはしない。同僚の中には、このようなプレッシャーに負けて、技術者をやめてしまった人もいるけど、Aさんにはこのようなチャレンジが肌に合っているのだ。
一方、Aさんの弱点は、人間関係である。Aさんは、社内・社外を問わず、人間関係がとても苦手である。
ささいなことでも、気に病んでしまう。とくに、最近直接の上司になった人とは性格が合わず、よくぶつかるのだが、ものすごいストレスである。
一方、Bさんは、若い頃には技術の仕事をしていたが、今は営業をしている。押しの強い性格で、会話をガンガンリードしていくことが得意で、人間関係においてストレスを感じることはあまりない。たまに理不尽なことばかり言う客や上司だっているけど、そんなの関係ねえ。
しかしBさんは、じっくりとひとつの課題を分析し、原因を突き止めるような作業が大の苦手である。むかし技術者だった頃には、これが一番のストレスだった。それが理由で営業になったようなものだ。営業職についた今でも、分析や調査などのじっくりと考える作業が求められることがある。しかも時間制限までついている。それが複数、同時にやってくる。ものすごいストレスである。
……なんか良いたとえになってない気もするけど。
巷によくある会話で、「誰だってそれくらい我慢してやっているのに、どうしてあなたは我慢できないの」とか、「そんなのできて当然」いったような、自分を判断基準にした勝手な評価は、どうかやめていただきたい。
あなたにとっては簡単なことでも、相手にとっては難しいこともあるのだ。
理屈ではどうにも説明できないこともある。
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